スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.192(2017年7月号)←詳細&購入はここ!
SQ192.png 特集『特集 陸上短距離
──パフォーマンス向上とケガへの対応
 
1.「ランニング(短距離)による肉離れの疫学・治療・予防」
金子晴香・順天堂大学 整形外科・スポーツ診療科
        
2.「陸上競技選手のケガへの対応とコンディショニング」
伊藤由記子・治療院ミムラ
 
3.「陸上短距離選手のパフォーマンスとケガ」
――指導者としての見方、指導のポイント
苅部俊二・法政大学スポーツ健康学部教授、同大学陸上競技部監督、元400mH 日本記録保持者、日本陸上競技連盟オリンピック強化コーチ

カコミ「肉ばなれの経験」
──ケンブリッジ飛鳥選手(ナイキ)と伊藤由記子先生(治療院ミムラ)にきく

4.「ランニングのパフォーマンス向上と外傷・障害のメカニズムと対応①」
──歩行走行の基礎知識
川野哲英・医療法人昇英会はちすばクリニック

一般男女を対象とした「くすりに対する知識と意識に関する調査」結果をもとに 、「くすりの適正使用」に対する知識の向上と“実践”のため 『くすりの知識10ヵ条』を提言

 くすりの適正使用協議会(東京都・中央区)は、本年6月に全国の一般成人男女900名を対象とした『くすりに対する知識と意識に関する調査』(インターネット調査)を実施いたしました。

 本調査は、本年6月の一般用医薬品のインターネット販売の解禁、および本年11月25日に予定されている「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)」の施行など、「くすりの適正使用」を取り巻く社会情勢の急速な変化を受け、現時点での、一般市民の皆様の「くすりに対する知識」、および「くすりの適正使用への意識」を明らかにすることを目的に企画いたしました。

 以下に調査結果の要点を発表するとともに、調査の結果を受け当協議会では、一般の方々に最低限知っておいてほしい、『くすりの知識 10ヵ条』を作成しましたので、提言いたします。

【『くすりに対する知識と意識に関する調査』結果 抜粋】

◆ 医薬品を購入・使用する上で、知っておくべき基礎知識について間違った認識を持っている人が多い

医薬品の基礎知識について質問したところ、
・ 約8割の人がジェネリック医薬品とOTC 医薬品の違いを理解していない
・ 約8割の人が一般用医薬品の分類(副作用、安全性の違い)について理解していない
・ 約3割の人が、医薬品と健康食品やサプリメントの違いを理解していない

◆ 医薬品の適正な使用法についての基礎的な知識は持っていても、実践できていない

「くすりの適正使用」に関する知識と実際の行動について質問したところ、
・ 約9割の人が「自分が病院で処方された薬を家族に譲渡してはいけない」ことを理解しているにも関わらず、そのうちの約4 割は譲渡した経験がある
・ 約8割の人が「内服薬を水以外の飲み物でのんではいけない」ことを理解しているにも関わらず、そのうちの約6 割は内服薬を水以外の飲み物でのんだ経験がある

【『くすりに対する知識と意識に関する調査』結果 まとめ】

 上記に加え、本年6月に一般用医薬品のインターネット販売が解禁されたことを受け、インターネットを通じて一般用医薬品を購入する際に生じる可能性がある問題への意識について本調査で確認をしたところ、約3割が購入した医薬品の「使用期限が期限切れ間近(3か月前)」、「医薬品のパッケージが破損」という状態でも、「そのまま使用する」と回答しました。

 さらに一般市民のくすりに対する知識や意識を明らかにするにあたり、医薬品医療機器等法に追加される「国民の役割※」についての認知を確認したところ、81%が国民の役割について「まったく知らない」と回答しました。

 この「国民の役割」では、一般市民が医薬品等を使用する際に適正に使用すること、そして医薬品等の有効性と安全性について知識と理解を深めることを求めるものです。医薬品の購入、そして適正使用における一般市民の役割が急速に高まりつつある中で、本調査の結果はくすりの適正使用に関する知識と実践に対する意識の不足を指摘するものとなりました。

※国民の役割 (改正薬事法 第1条の項6):医薬品等を適正に使用するとともに、これらの有効性及び安全性に関する知識と理解を深めるよう努めなければならない。

【『くすりの知識 10ヵ条』の提言 ~法制化された「国民の役割」への備え~】

 このような状況下で、くすりの適正使用協議会では、「くすりの適正使用」の促進のためには、一般市民が医薬品を購入・使用する上で必要な基礎知識を持ち、さらに「くすりの適正使用」の重要性について十分に理解することが必要であると考えます。そしてこのような考えをもとに、この度、「くすりの適正使用」を促進するために、一般市民が必ず知っておくべき知識を『くすりの知識 10カ条』としてまとめました。

_prw_PI3im_BdaNx50s.jpg


 くすりの適正使用協議会では、今後、この『くすりの知識 10カ条』を中心とした、一般市民の医薬品、そして「くすりの適正使用」に関する知識、理解の向上を促していくことで、「くすりの適正使用」の普及に貢献してまいりたいと考えております。

【調査概要】
調査方法: インターネット調査(株式会社ネオマーケティング 実施)
調査実施期間: 平成26年6月
調査対象者: 全国の20歳以上の男女 900名(20-30代男女、40-50代男女、60代以上の男女、各300名)

【くすりの適正使用協議会について】
 くすりの適正使用協議会は、くすりのリスクとベネフィットを検証し、社会に提示することで患者さんのメリットに寄与することを目的に、1989年に研究開発指向型製薬企業11社によって設立されました。
 創設当初より、医薬品の本質を評価する学問「薬剤疫学」の普及、医薬品適正使用情報「くすりのしおり」の提供など、医薬品の本質の理解促進と正しい使い方の啓発活動を行ってまいりました。
 2012年度からはキーコンセプトを「医薬品リテラシー*の育成と活用」と定め、活動を行っています。

 *医薬品リテラシー:医薬品の本質を理解し、医薬品を正しく使用する能力

問い合わせ/くすりの適正使用協議会 広報部
TEL:03-3663-8891
FAX:03-3663-8895
E-mail:info@rad-ar.or.jp

【株式会社共同通信PRワイヤー:7月23日発表より】
スポンサーサイト
1月5日、昨年に続き、大阪・苅田土地改良記念会館で「これでいいのか理学療法士!」が開催されました。今回は「脳卒中理学療法のこれからを考える」と題されていましたが、脳卒中にかぎらず、理学療法あるいは理学療法士のあり方について鋭い問題提起がなされました。お正月にもかかわらず、椅子を追加するほどの盛況ぶりで140名の参加者でした。

主催は「1月塾」ですが、吉尾雅春先生(千里リハビリテーション病院)、鈴木俊明先生(関西医療大学大学院)、松田淳子先生(京都九条病院)の3先生が中心になって始まったものです。吉尾先生は「動作分析のために脳のシステムを理解することが重要である」、鈴木先生は「機能障害を正しく把握するには動作分析が重要である」、松田先生は「急性期病院で脳血管障害者の動作改善のために大事だと思っていること」と題する講演を行い、その後質疑応答がなされました。ノンストップで約4時間。

この模様は次号158号で紹介します。写真は冒頭、3先生によるあいさつです。(清家)

これでいいのか

全参加国から女性アスリートが参加した歴史的なロンドンオリンピック
スポーツやビジネス界でダイバーシティを推進するための報告書を発表

――本ニュースリリースは、英国で8月11日に配信されたものの日本語版

 ロンドンオリンピックは、オリンピック史上で初めて、参加した205カ国全ての国から1名以上の女性アスリートが参加するという歴史的大会になりました。

 これは、本日、アーンスト・アンド・ヤングが公表するスポーツ内外の分野でいかに女性が活躍できるかを考察した報告書「High achievers: recognizing the power of women to spur business and economic growth」にまとめられています。

 この報告書では、女性がスポーツ分野で築いた土台、現在あらゆるビジネスや社会分野で与えている影響、そして今も継続している取り組みに焦点を当てています。また、”女性”を世界で最大の新興市場ととらえ、その市場がもたらす影響を分析しています。それによると、今後5年間で全世界の女性の収入はUS$13兆 (1,021兆円)からUS$18兆(1,413兆円)に伸び、増加分のUS$5 trillion(392兆円)は、中国とインド両国のGDP成長のおよそ2倍に匹敵します。

 アーンスト・アンド・ヤングのグローバル・ヴァイス・チェアでパブリックポリシーを担当するベス・ブルックは、「社会や経済の発展のために、女性の限りない潜在能力をどのように活用すべきでしょうか。スポーツや教育への参加支援、上級管理職や取締役会に女性を増やすプロジェクトの推進、女性による起業とその成長のサポートは、男女が平等に活躍するための支援です。2012年のオリンピックとその出場選手たちを称え、2016年にリオデジャネイロで開催されるオリンピックを見据えながら、私たちは世界で最も前途有望な新興市場である“女性”の発展を推進し続けなければなりません。」と述べています。

 この報告書は、2012年8月11日(土)の午前11時から午後2時、ロンドンのCasa Brasil,RIO 2016's Olympic Houseで開催されるアーンスト・アンド・ヤングのイベントにて発表されます。イベントの討論会では、報告書の論点・テーマとなっている、オリンピックやスポーツ分野でのジェンダーの平等、ビジネスや経済における女性参加率の現状などを話し合います。

報告書のポイントは以下です。

スポーツにおけるジェンダー
・2012年の大会では、オリンピック史上初めて、参加国全ての代表選手団に女性が含まれていました。

・このオリンピックでは、参加選手のうち40%以上が女性でした。

・サウジアラビア、ブルネイ、カタールからは初めて女性選手が参加し、米国の代表選手団は女性(268人)が男性(261人)を上回りました。

・スポーツは社会を平等に導く要素となり得ますが、欧州評議会の議員議会報告書「Discrimination against women and girls in sport」によると、いまだに多くの国で女性や少女がスポーツをする機会に恵まれず、スポーツ運営団体の中でも重要な役割を担っていません。

・国連によると「女性や少女のスポーツへの参加は、ジェンダーについての固定観念や差別に挑み、男女平等および女性や少女の地位向上を促進する手段になり得ます」と述べ、また「特に伝統的に男性優位の分野で、女性がリーダーや意思決定者になれるという見方を醸成することができます」と指摘しています。

キャリア開発におけるスポーツの影響
・Mass Mutual Financial and Oppenheimer Fundsが実施した女性幹部に関する調査では、81%が子供の頃にスポーツをした経験があり、69%がスポーツは職業的な成功に有益なリーダーシップを育成するのに役立ったと回答しています。

・高校時代にスポーツの経験のある人は、賃金の大幅な上昇がみられます。米国労働省のチーフ・エコノミストであるBetsey Stevensonによると、高校のスポーツ選手だった女性の14%が平均より高い水準の賃金を得ており、女子のスポーツ競技人口が10%増加すると、就職率が1.9%増加すると述べています。

ビジネスおよび経済における男女平等
・女性のオリンピックへの参加によりスポーツ分野での女性の統計値が最高になったことや、Title IXの制定による女性の教育の進歩とは対照的に、2012年現在、Fortune500の企業における女性CEOの数は過去10年間で倍にはなったものの、全体数の中ではわずか3.6%でしかありません。

・世界の先進国では、幹部に女性が占める割合はわずか11.1%であり、急成長市場ではその割合は7.2%に減少します。

・ペパーダイン大学の調査は、指導的地位にある女性が組織の業績を、測定・定量可能な方法で向上させることができることを示しています。調査によると、Fortune500の企業のうち、女性の昇進に実績のある25社は、Fortune500の平均的な企業よりも18%から69%業績が良かったと示しています。

・Catalystによると、Fortune500の企業のうち女性幹部が多くいる企業は、株主資本利益率、売上利益率、投下資本利益率を尺度に比較すると(各53%、42%、66%)、女性幹部が少ない企業よりも業績が優れています。

・Booz & Companyによると、全世界の女性人口の25%に当たる約8万6千人の女性は、世界経済において「役割を果たす準備ができていない」または「役割を果たすことができない」としています。これら女性の大多数は20歳から65歳で、約95%が新興国に暮らしています。残りの5%は、北米、西欧、そして日本に暮らす女性です。新生児と20歳以下の女子も考慮に入れると、その数は今後10年で10億人に増えます。

討論会に参加するのは下記のメンバーです。
・Donna de Varona, Olympian and former President, Women’s Sports Foundation (Moderator)
・Beth Brooke, Global Vice Chair, Public Policy, Ernst & Young
・Sir Philip Craven, MBE, Paralympian and President, International Paralympic
Committee, Member, International Olympic Committee
・Anita DeFrantz, Olympian, Chair of the Women and Sport Commission and former
Vice President, International Olympic Committee
・Nawal El Moutawakel*, Olympian and Vice President, International Olympic
Committee
・Baroness Tanni Grey-Thompson, DBE, Paralympian and member of the British House
of Lords, United Kingdom
・HRH Prince Feisal Al Hussein of Jordan, Member, International Olympic
Committee
・Pinky Lilani, Founder & Chairman, Women of the Future
・Adriana Machado, Chief Executive Officer, General Electric (Brazil)

-ends-
Notes to Editors
About Ernst & Young
Ernst & Young is a global leader in assurance, tax, transaction and advisory
services. Worldwide, our 152,000 people are united by our shared values and an
unwavering commitment to quality. We make a difference by helping our people,
our clients and our wider communities achieve their potential.
Ernst & Young refers to the global organization of member firms of Ernst & Young
Global Limited, each of which is a separate legal entity. Ernst & Young Global
Limited, a UK company limited by guarantee, does not provide services to clients.
For more information about our organization, please visit www.ey.com.
This news release has been issued by EYGM Limited, a member of the global Ernst
& Young organization that also does not provide any services to clients.

【問い合わせ】
新日本有限責任監査法人 広報室
TEL:03-3503-1037
記憶が特定の脳神経細胞のネットワークに存在することを証明
-自然科学で心を研究、心は物質の変化に基づいている-

 独立行政法人理化学研究所(RIKEN)の脳科学総合研究センターと協力関係にある、マサチューセッツ工科大学の「RIKEN-MIT神経回路遺伝学センター」の利根川進教授の研究室は、マウスの脳の特定の神経細胞を光で刺激して、特定の記憶を呼び起こさせることに成功し、脳の物理的な機構の中に記憶が存在することを初めて実証しました。

 私たちの懐かしい思い出や恐ろしい記憶は、時間や場所、またはその経験を含むあらゆる感覚とともに、完全に呼び起こすことができる“記憶の痕跡”として脳に残されます。神経科学者たちはこれをエングラム(Engrams)と呼びます。しかしエングラムとは概念に過ぎないのか、あるいは脳内の神経細胞の物理的なネットワークなのか、分かっていませんでした。

 研究グループは、最先端の遺伝子工学と光の照射で、特定の神経細胞のオン・オフを制御する光遺伝学(オプトジェネティックス)※1をマウスに適用して、エングラム学説の謎に挑みました。まず学習がおこって、海馬※2の特定の神経細胞がオン状態になると、これらの細胞が光に反応するタンパク質(チャネルロドプシン)で標識されるような、トランスジェニックマウスを作製します。

 学習としては、ある環境下で足に軽い電気ショックを与えると、マウスが環境とショックの関係を覚える、という方法を使います。普通、マウスにこの関係を思い出させて、その結果恐怖による“すくみ”(不動でうずくまった姿勢)の行動を示すようにさせるためには、この環境に戻してやらなくてはなりません。

 利根川研究室では、学習したマウスをまったく別の環境に移しても、学習中にオンになった細胞群に直接光を照射して再びオン状態にすると、“すくみ”の行動を喚起させることができることを発見しました。つまり、人為的な刺激がショックの記憶を呼び起こしたということです。

 この成果は、記憶が特定の脳細胞に物理的に存在することを示しただけでなく、より一般的に、心というものが物質の変化に基づいていることの実証となります。今後さらに、脳の物理的な動きと心の現象の解明に貢献すると期待できます。

 この研究には、利根川研究室の研究員シュー・リュ―(Xu Liu)、ぺティー・パン(Petti T. Pang)、コリー・バーイヤー(Corey B. Buryear)、アービンド・ゴビンダラヤン(Arvind Govindarajan), 大学院生スティーブ・ラミレ(Steve Ramirez)およびスタンフォード大学教授カール・ダイスロス(Karl Deisseroth)が参加しています。

本研究はRIKEN-BSIおよびアメリカ国立衛生研究所(NIH)の支援で実施され、『Nature』オンライン版(2012年3月22日付、日本時間3月23日)に掲載されます。

※1 光遺伝学( オプトジェネティクス)
光を意味するOpto-+遺伝学を意味する geneticsを合わせた言葉。神経回路機能を光と遺伝子操作を使って調べる研究分野。ミリ秒単位の時間的精度をもった制御を特徴とする。2005年に発表された論文が注目され神経科学の革命と言われた。

※2 海馬
大脳側頭葉の内下部にあり、両側を合わせた形がギリシャ神話の海神がまたがる海馬に似ていることからこの名称が付いた。両側を破壊すると記憶障害が起きることから、記憶に関与すると考えられている。

【問い合わせ】
独立行政法人 理化学研究所 脳科学研究推進部 企画課
担当:入江真理子
TEL:048-467-9757
E-mail:pr@brain.riken.jp
ゴリラのゲノム解読に成功
――ナショナルジオブラフィック NEWSより

ナショナルジオグラフィック NEWSに「ゴリラのゲノム解読に成功」との興味深い記事が掲載されていたので、一部を以下に紹介する。

Dave Mosher
for National Geographic News
March 8, 2012

 欧米の研究チームがゴリラのゲノム(全遺伝情報)解読に初めて成功した。ゲノムが解読されたのはアメリカ、カリフォルニア州サンディエゴ動物園に暮らすメスのニシローランドゴリラ「カミラ」。

 2008年、当時30歳のカミラのDNAが採取されていた。そして2012年、ゲノム解読の結果が公開された。ヒトやチンパンジー、ゴリラ、オランウータンを含む霊長類のグループ「大型類人猿」のゲノムがすべてそろったことになる。

◆類人猿を分化させたのはDNAの突然変異

 イギリスにある医学研究慈善団体ウェルカム・トラストのサンガー研究所に所属する遺伝学者リチャード・ダービン氏らのチームによると、ヒトとゴリラの遺伝子の一部は驚くほどよく似ているという。

 同じくウェルカム・トラストの遺伝学者で、研究に参加したエイルウィン・スカリー(Aylwyn Scally)氏は、「ヒトゲノムの70%はチンパンジーと似ているが、15%はゴリラに近かった。残りの15%はチンパンジーとゴリラの間で最も類似性が高い」と説明する。

 ヒトとチンパンジー、ゴリラが古代に同じ祖先から分かれたことは化石研究から判明している。ただし、分化の時期を正確に特定するのは難しい。

 今回の遺伝子研究と既知の化石情報を総合すると、「ヒトとチンパンジー」の系統がゴリラと分化したのは約1000万年前のようだ。そして約600万年前、ヒトとチンパンジーが枝分かれしたという。

◆驚きに満ちたゴリラのDNA

 今回の研究ではもう一つ驚くべき結果が示された。ゴリラのゲノムの一部が、現在考えられている大型類人猿の系統樹と食い違っているのである。例えば、その部分のDNAはゴリラ・チンパンジー間よりも、ゴリラ・ヒト間の方が類似している。

 ただし、テキサス州のベイラー医科大学ヒトゲノム解析センター(Human Genome Sequencing Center)に所属する遺伝学者リチャード・ギブズ氏は、「この研究結果によって進化の全体像が変わるわけではなく、全体的な系統樹を変更する必要もない。分化後もさまざまな出来事が起き、まだ解明すべき問題があると示されたと考えている」と話す。ギブズ氏は今回の研究には参加していない。



上記の内容のほか、「ナショナルジオグラフィック NEWS」では、さらに遺伝的な違いについてや、希少類人猿の保護の観点からも紹介されている。

 今回の研究結果は「Nature」誌の3月8日号に掲載されているほか、詳細は、是非ナショナルジオグラフィックHPをご参照下さい。