スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.189(2017年4月号)←詳細&購入はここ!
msm189-Taguchi.jpg 特集『特集 アスリートの骨盤を守る』
 
1.「仙腸関節機能障害の病態」
坂本飛鳥・聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部理学療法学科
        
2.「3D-MRIに基づく骨盤の歪み(マルアライメント)」
小椋浩徳・スタイル訪問看護ステーション、理学療法士
 
3.「骨盤マルアライメントと原因因子の臨床評価」
杉野伸治・Shinji Sugino RPT、カラダコンディショニングTHANKS

4.「骨盤マルアライメントの治療」
蒲田和芳・広島国際大学リハビリテーション学科

5.「“挫滅マッサージ”によって出現した副作用について」
──坐骨神経に異常をきたした女子アスリートの一症例
蒲田和芳・広島国際大学リハビリテーション学科
   
三宮駅から徒歩5分程度のところにある「もも家」さん。そのビルの店が一軒一軒と閉店。厳しい状況はさらに続きそう。お近くの人はぜひお立ち寄りくださいね。今月は「穴子」のお料理です。

落葉の季節に
(文・料理/大仁浩子・「もも家」店主、イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)

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 六甲おろしの北風が三宮の街に吹いている。
 そんな11月のはじめ、隣のスナックのドアに一枚の紙が貼り出された。

「お客様へ
店を閉めることにいたしました。長い間、気ママな私に、寛大なたくさんの御贔屓を下さいました。ありがとうございました。
 気がつけば、半世紀に余る酒場の暮らし。遊ばせていただきました。楽しい嬉しい幸せな三宮でございました。感謝一杯でゆきます。皆様、どうか健康でお過ごし下さいませ。ほんとうにありがとうございました。 津田」

 津田と、ママの本名が記されていた。あの方は津田さんという名前だったのだ。

 隣の店のママは華やかな夜の顔を、このドアの奥の店に残し、本名で去ってゆかれたと、二度と開かない扉の貼紙を眺めていた。

 取り外すのを忘れられたのか、「会員制」と金文字で書かれたプラスチック板にネオンの光が反射している。津田さんという隣の店のママは高知の生まれ。若い頃から大層な美人。そして神戸が港町として栄えた昭和の景気の波に乗って、大きなクラブを開いておられたという。

「私は高知のハチキン。夜毎、夜毎、ブランデーのボトルを2本くらいは空にした」と言って、赤いバラ模様のレースの袖口から、白い指を4本さし出し、「いやいや、若いときは4本は大丈夫やったわ」と高らかに笑う人だった。そんなママの豪傑話をよく聞いたものだ。

ピンクのあざやかな花がらのマーメイド型のスカートがよく似合い、髪は茶色の金髪。香水の香りが漂って、明るい声でカラカラと話す。それでも手からグラスを離さない。グイとお酒を飲む。酔うと土佐弁になり、それで「酔っぱらい度数」がすぐわかる。ある日の夕方、階段の踊り場を掃除しているときに出会った。すでに千鳥足。

「あら、ごきげんですね」と声をかけると、「もも家のママ。お早うさん。元気しちゅう? 私もこれから店を開きゅう」と高らかに宣言。しかし、このお国言葉だ。今夜、店は何時に開くのか、怪しいかぎり。なのに、いきなり後ろを振り向いて、「もも家のママ、ごめんなさい。昼間から飲んでおりました。ちょっと、つまらんことがありまして。でも、真面目に店は定刻に開けます。いつもお掃除、ありがとうございます」と、スカートの裾をちょっと持ち上げて、バレリーナのように深くおじぎをした。その仕草があまりにも快活にしてエレガントにして子どもじみていて思わず笑ってしまうのだった。あっけらかんとして気のいいママだった。

 あるとき、やっぱり夕方、踊り場で出会った。ママの髪のカールが素敵だったので、「どちらの美容室ですか」と尋ねると、「カツラ、カツラよ。寒いから帽子代わりに載せとる」と、少し指でつまんでみせた。その指には、大きな猫目石の指輪。そのまわりには大小のダイヤモンドがぐるりと取り囲んだデザインになっている。美しく、重たそう。

「景気が悪いぞね。この指輪、質屋に持っていったら45万。五百万で買うたゆうに」と、悔しそうに言う。

「こないに不景気風が吹く、三宮は、つまらん」と言って、「楽しゅうて、面白ろうなかったら、生きとる気ィがせん、三宮に出てくるのが辛うて、辛うて」と言いながら、やっぱりミモレ丈のワンピースの裾をちょっと持ち上げて、カーテンコールの舞台女優のように深々とおじぎをした。

 閉店の貼紙が貼られたのは、それから間もなくだった。

 私が小さな店を開けているこのビルは5階建。8軒の店がある。今年になって、春頃から、1軒、また1軒と店が閉まっていった。隣のママが店を閉めたので、このビルで営業している店は3軒。とうとう、2階は私の店だけになった。週末はともかく、平日はひっそりと静まりかえっている。あの陽気で朗らかなママがおられたときは、ママの声が階段や踊り場に響き、華やかな空気が流れていた。エレベーターに乗ると、ママの香水の香りが残っていた。大人のゴージャスを演出するのに上手な人だった、と思う。

 昭和が遠くなるように、そんな大人の気配を持ち、神戸の夜を彩ったママたちが歳月を経て、一人、また一人と酒場の夜から去ってゆく。三宮の街路樹の葉が音もなく散ってゆくように。まだ鮮やかな紅の色を葉にとどめているというのに。落葉の季節に重なるように。

*瑞宝寺公園
有馬温泉街の近く、標高500mの地にある瑞宝寺公園は紅葉の名所。豊臣秀吉は、特にこの地の紅葉を「いくら眺めても飽きることがない」と愛でたことから、「日暮しの庭」「錦繍谷」の別称がある。11月には「有馬大茶会」が公園内で開かれる。
交通:神戸電鉄・有馬線、「有馬温泉」駅下車。南東へ徒歩15分。



「もも家」のフードレシピ

穴子のちらし寿司

CCF20121204_00001.jpg晩秋においしくなる根菜と名残の穴子でちらし寿司をつくりました。穴子は市販の焼き穴子。穴子は、神戸の西、明石が古くからの名産地。専門店があり、店のあたりには焼きあがった穴子のよい香りが漂います。

穴子は、淡白で上品な風味。関西では、養殖のウナギよりむしろ、穴子のほうが喜ばれます。

今回は、その穴子のちらし寿司です。


 材料
焼き穴子  2本
土ゴボウ  1本
人参    1本(180gぐらいのもの)
レンコン  5~6cm長さのもの 1本
卵     4個
白ごま   大3
米     3合

■調味料(米3合の合わせ酢)
米酢  100cc
砂糖   25g
塩   小2

■具の下味の調味料
出し汁 100cc砂糖 大2
薄口醤油 大2

 作り方

① ゴボウは水道の流水の下で、キッチンペーパーで泥や汚れをしっかり落とします。皮つきのまま、細い笹がきにし、水に放ってアクを抜きます。

② レンコンは表面の皮をむき、まず輪切り(4mm幅)にし、そろえて小口から5mm角に切り、薄い酢水につけてアク止めします。

③ 人参はよく洗い皮つきのまま、4mm角に切ります。

④ 水を切った①、②と③を、小さじ1のサラダ油で炒め、出し汁100cc、砂糖大2、薄口醤油大2で煮含め、味が染みたら、ザルにあけて煮汁を切っておきます。

⑤ 錦糸玉子をつくります。薄く、大きく焼きたいので、テフロンのフライパンを用意。卵をとき、砂糖大1,塩小1で味をつけます(水大2に片栗粉小1を溶いたものを入れると失敗が少ない)。サラダ油を薄くひき、卵4個で5~6枚の薄焼きをつくります。

⑥ 穴子は、皮のほうから包丁の背で軽くたたき、身をやわらかくします。1本の中ほどは飾り用に色紙形に切り、頭と尾のほうは、小口から1cmの角切りにしておきます。

⑦ 3合の炊き上がりの白米に、合わせ酢を2/3を混ぜ入れ、④の根菜、⑥の角切り穴子、白ごまを混ぜ合わせ、味をみて、残りの合わせ酢を入れて味をととのえる。

⑧ 錦糸玉子をたっぷりのせ、色紙形の穴子を飾ります。

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しみじみと里の秋を想う、根菜と穴子のちらし寿司です。根菜のうち、ゴボウは最近薬用(利尿、整腸、免疫の働きの調整)として見直されている野菜です。あまりアクを抜きすぎないよう調理されますように。

編集部より:大仁さんのフードレシピについては、このサイトで多数見ることができます。また、この記事の著作権は大仁浩子さんに帰属し、イラストの著作権は横江節子さんに帰属します。著作権の侵害にご注意ください。

〔もも家〕
TEL:078-391-2466
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-7-20 前川ビル2F
(三宮駅の北、徒歩5分)

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夏野菜の代表格キュウリ。今月は夏の終わりに味わうキュウリが登場。その前にキュウリならぬニガウリ(ゴーヤ)にまつわるお話から。

父の畑
(文・料理/大仁浩子・「もも家」店主、イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)

CCF20120924_00000.jpg お盆の帰省ラッシュを避けて里帰りした。ちょうど、台風15、16号が連なって沖縄から九州をめざしている最中だった。風が庭の木々をゴウゴウとゆらしている。少々建てつけのよくない玄関のガラス戸を開けて、「ただいま」と奥に声をかけたが返事がない。耳の遠い父には、この風の音にかき消されて少々の声では届かないのだ。

 座敷に上がって仏壇の御灯明をつけ、お参りをしていると、台所のほうから、父がびっくりした顔をして現れ、「おぉ、おぉ」としばらくは言葉がない。やがて「変わりはなかったかね」と挨拶を交わした。とりとめのない話をしているうちにお昼になった。

「お父さん、何が食べたい」と尋ねると、「そうだね。一度はすき焼きをしよう。それから素麺には熱々のかき揚げを。久しぶりに、ちらし寿司をキツネあげに包んだものも食べてみたいと思っていたが」と言う。それは、まだ家族が賑やかに揃っていた頃の母の手料理の数々。母を思い出していたのかと、胸がこみ上げてきて絶句していると、「まあ、畑には野菜があるし、料理はあなたの好むように作ってください。畑には苦瓜も実っている」と言い残し、近所へ出かけていった。

 故郷は本州の最西端。九州が近い。そのせいか、昔からゴーヤを育てて食べる家も多く、その味の苦さから「苦瓜」と言い習わしてきた。ツル性のそれは、竹の支柱に絡みつき上へ上へと登って屋根まで届く。家庭で育てたものは、15cmくらいの握り拳の大きさに実り、ブラブラと軒先で揺れていたものだ。

 父の畑は、丘へ登る坂道の途中にある。一気に急坂を登るので、少し息が上がるのだが、畑に着けば、眼下には明るく開けた風景が広がる。町を眺めれば、子ども心には広いと思った道路の幅も狭い小路だったり、大きいと思っていた金比羅宮も小さな鎮守の森に屋根だけがのぞいている。昔遊んだ友人たちの家は、すでに住む人も替わり、ガキ大将だった男の子は消息さえわからない。懐かしい思い出の家々の屋根。それらはジオラマのようにしんと静まり、歩く人の気配さえもない。

 ふと、我に返って、畑を見回す。が、父の言う苦瓜がどこにもない。キツネにつままれたような気がした。小さな畑のこと、見渡しても竹の支柱の跡もない。ないものはないと、仕方なく、大葉とネギと太りすぎたキュウリを摘んで帰宅した。

 父も帰り着いたところで、私の手元を見て「苦瓜に届かなかったのかね」と言う。苦瓜など、どこにもないと告げると、父はアハハと笑い出し、「見つけられんかったのか。今年の苦瓜は去年の種から野良生え(のらばえ)して、椿の木に巻きついて登っていっとる。たくさんあって手に負えんほどじゃが」と言う。

 たしかに畑の北西には、大きなヤブ椿が4~5本植わっており、父はそれが自然の防風林になって、畑が北風から守られ有難いと常々話していた。苦瓜は、こともあろうに、その椿に巻きついていると言う。再び、畑に引き返し、椿の林に近づいて見ると、あった、あった。苦瓜は椿や高い雑木を這い上がり、葉を繁らせ、たくさんの実をつけていた。けれどもそれは、はるかに高い梢の先。高枝鋏で切り落としたとしても、今度はそれを崖沿いに降りて探さねばならない。それでは私の足元が危ない。諦めた。

 帰ってから父に、「あれは無理やね」と言うと、「あんたの背でも届かないか。まあ仕方ない。それにしても苦瓜はよい場所を得たと喜んでいることだろうよ。誰からも摘まれることなく、十分にのびのびと育ってくだろうから」と笑った。たしかに、苦瓜は平安を得ていた。「今が食べ頃ですのにね」と言わんばかりに、緑色にキラキラと光っていた。

 今年の夏、東京ではスカイツリーが大人気という。人は時々、今の場所からもっと上へ、さらに上へ、限りなく上へと高いところに登ってみたくなる生き物らしい。高いところへ登ると、たしかに目線も高くなる。そして、目線が変われば、日常の些細なことは、はるか下のほうにあって、それが小さなことに思えてくるから不思議。その高いところから見上げれば、空はますます高く果てしなく……。鳥の目を得た気持ちになる。過去の不幸な出来事も空のかなたに消えてゆく。

 さて、今年の夏。高みに登った父の苦瓜も、見ていただろうなと思う。私が、諦めきれずに何度も見上げて溜息をついたり、悔しそうに木を揺すったり、何度も枝に飛びついていたことを。高いところから、苦瓜は「愚かなことねェ」と見下ろしていたことだろう。

 だから、神戸に帰ってからも、スーパーに並んだ苦瓜を見るたびに、あのたくさんの苦瓜を思い出す。そして、イソップ物語の「キツネとブドウ」の話のように、「あの積み残した苦瓜は、口が曲がるほど苦いにちがいない」と思うことにしている。

*神戸ポートタワー
 東京にはスカイツリーがあり、神戸には港のそばにポートタワーがあります。世界でも珍しい鋼管パイプ構造の塔。「鼓」をイメージして、タワーの中央は少しくびれた形。展望台からは、東は大阪や関西空港、西は淡路島、北は六甲連山と360度の大パノラマ。市民に愛される赤い色の観光タワーです。
神戸市中央区波止場町5-5
電話078-391-6751
入場料金 大人600円 小人300円


「もも家」のフードレシピ

キュウリのパリパリ漬け
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 残暑の毎日。ふと、まぶしい陽射しを振り仰げば、空には白い羊雲。長かった夏も、ようやく終わりを告げそうです。
 畑に行けば、夏の間楽しんだキュウリが、太いのや曲がったのや様々な形をして実っています。そんなキュウリを一度に摘んでお漬物を作りました。パリパリと歯ざわりがよく、一度に大量に作っても、あっという間になくなること請け合います。

 材料
キュウリ 10本
塩昆布 30g(市販の細切り塩ふき昆布)
土しょうが 60g

■調味料(漬け汁)
A:
醤油 180cc
みりん 80cc
米酢 90cc
砂糖 大1
酒 大1

B:
塩昆布 30g
土しょうが 60g(細く千切りにしておく)
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 作り方
① キュウリ10本を沸騰した湯の中に入れ、火を止めて、落し蓋をして、7~8時間、漬けておく。

② キュウリを半割にして、中のタネをスプーンを使って取り除く。

③ 端から1mm幅の小口に切り、ギュッと絞る。絞るとき、お箸のような硬いものと一緒に絞るとよく絞れる。もう一度、布巾に包んでよく水気を絞る。

④ 漬け汁(A)は一度沸騰させ、(B)を加えて、さましておく。

⑤ チャックシールつきのビニール袋に③のキュウリを入れ、④の漬け汁を注ぎ、袋の外から揉んでなじませる。
30分おいたら、味が染みて食べられます。残ったら、冷蔵庫で保存します。
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このキュウリのお漬物は、お素麺の上にのせても絶品のおいしさ。
炊きたての新米の上にのせて、お茶漬けにも。
よくぞ、日本に生まれけり、としみじみ嬉しい夏の終わりのお漬物です。


編集部より:大仁さんのフードレシピについては、このサイトで多数見ることができます。また、この記事の著作権は大仁浩子さんに帰属し、イラストの著作権は横江節子さんに帰属します。著作権の侵害にご注意ください。

〔もも家〕
TEL:078-391-2466
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-7-20 前川ビル2F
(三宮駅の北、徒歩5分)


心を洗うような音色。誰しも一度は経験していることだろう。被災地でいくつも行われてきたコンサート。心に染みいり、自ずと涙がにじみだしてくる。今月のショートストーリーは「青葉の笛」。そしてレシピは豚肉のソテーに山椒をピリリと効かせたものです。

青葉の笛
(文・料理/大仁浩子・「もも家」店主、イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)

CCF20120721_00000.jpg 雨音がする。雨が降りだしたようだ。夕方少し立て込んだ店も、早くにお客が引いてひっそりしている。

「さてと」、と山椒の実を取り出した。朝、その緑の鮮やかさと摘みたての香気に誘われて実山椒を2箱も買ってしまったのだ。山椒は、あのトゲのある木から実を摘むのも大変な手作業。そしてさらに、小枝から小粒の実だけをはずすのも根気のいる仕事。でも本当のおとを言えば、これが結構楽しい。手を動かしながら、気持ちはしんとして、あれこれと思いを巡らす楽しい時間なのだ。

 1箱分の実を摘み終えた頃、夜の闇を縫うように、サックスの音が流れてきた。近くのビルの窓から聞こえてくるのだが、それが、どの店のどんな人が吹いているのか、今もわからない。数年前初めてサックスの音が聞こえてきた時、その音はとてもひどい音だった。ピーとかボーッとか音符がバラバラに飛んでくる。サックスは音をつなげて吹くのがなかなか難しいものだとつくづく思ったものだ。その人(おそらくどこかの店のマスターらしい)が最初に取り組んだ曲は「ハッピーバースデー」。Happy birthday to you……というあの歌。誕生日に来店したお客様に即興で吹いて喜んでもらおうということだと思う。

 一年も過ぎた頃に、その歌は完璧なメロディーとなって風に乗って流れてきた。そして去年。あの東北に震災があってから、その人の演奏曲目に2つの曲が加わった。それは「見上げてごらん夜の星を」と「ふるさと」。これらの曲は東北で再生を願う人々が口ずさみ、復興のテーマソングとなった歌のひとつ。それが今夜も流れてくる。

 震災から1年以上も経つというのに「フクシマ」は終息の糸口さえみつかっていない。こんな雨の夜には、「ふるさと」を口ずさみながら東北の方々はご自分をはげましておられるのではないかと、同じように震災に遭った町から想っている。

 そして、また想う。「平家物語」で伝えられる“青葉の笛”も今夜のように、夜の闇を縫って源氏の陣営にも届いたといいう事を。

 舞台はここ兵庫。源氏に追われ、都落ちした平家は、いよいよ「一の谷」で対戦することになった。その戦の前夜、平家の陣では清盛の弟、経盛が管弦の宴を催した。その席で息子の敦盛が奏でた笛は「青葉の笛(銘=小枝(サエダ)」。敦盛は笛の名手。その澄んだ音色は、戦に荒れた心を慰め、心を洗う美しさだったという。それは源氏の陣にいた関東武士・熊谷直実の耳にも届き、深く心に響いた。

 そして決戦。敗走する平家は、沖で待つ平家船へ逃れようとした。敦盛も海上へと馬を進めている時に源氏方の直実に呼び戻された。直実は敦盛をとらえ、討とうとしたが、敦盛の幼なさ、公達としての誇り、自らの宿命を粛々として受け入れる健気さに、一度は手をゆるめ逃がそうとする。しかし、源氏の追手はもう背後にあり、終に、敦盛を討ってしまう。その時、敦盛の箙(エビラ)の中からこぼれ落ちた笛、それが青葉の笛。直実は、この若武者が、昨夜の笛の名手であったことに気づく。敦盛16歳。兜をとればお歯黒に染めた口元と薄化粧。文武にすぐれ、気品をたたえた美しい公達。直実は、このような若者を打たねばならなかった己を恥じ、戦の虚しさとおろかさを悟ったという。

 直実は後に出家。法名、連生。一生をかけて敦盛を供養した。直実に人としての慈しみの心を呼び起こさせたのは「青葉の笛」の美しい音色だった、と物語は言う。

 笛は人の吹く息が音に変わる楽器。その故なのか。人の心の奥底にある溜息や嘆きや叫びなど、奏でる人の感情がそのまま音に変わって耳に届く。聞く側の心をゆさぶる。敦盛の笛は魂に訴えかける音色だった。

 そのように今夜のサックス「ふるさと」も人の絶えた夜の街に高く低く流れてゆき、私の心を遠い遠い人のところまで想いを運んでゆく。

 どうぞ、東北の方々に、一日も早い平穏な日々が訪れますように。

 「笛の音に 波もよりくる須磨の秋」 与謝蕪村

※須磨寺
源平興亡の舞台となった須磨。須磨寺には敦盛の「青葉の笛」や甲兜などゆかりの品が数多く展示されている。
アクセス:神戸市須磨区須磨寺町4-6-8
     TEL:078-731-0416


「もも家」のフードレシピ

豚肉のソテーに山椒ソース

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 初夏の台所は手作りする食材が次々に届き、忙しい季節です。毎年、実家の庭の夏みかん、あんず、梅で、マーマレードや果実酒をつくります。ちょうどその頃、山椒の実も出回ります。瑞々しい小粒の実は、山里の新緑の色を写しとってきたような鮮やかさ。

「山椒は小粒でピリリと辛い」のたとえもあるように、その辛さは料理の名脇役。冷凍しておけば、一年中、その爽やかな辛さが楽しめます。山椒は店頭に並ぶ期間も短いのでお見かけになったら、この山椒の実も手作りの佃煮や、冷凍して保存しておかれますよう。

 今月はその山椒料理のあれこれを。

CCF20120721_00002.jpg◆山椒の実の冷凍保存の方法から

①山椒は、ざっと水洗いして、大きめのボールに水を張り、その中で小枝をはずします。実の先にある針くらいの細い軸は、食べても口に残りませんから、そのままにしておきます。実はザルにあげておきます。

②鍋に湯をわかし、塩少々入れ、沸騰してきたら①のザルの実を一度に入れます。中央にアクが出ますから、それを取り除き、再沸騰したら、火を止め、ザルにとり広げて、うちわであおぎ、急速で冷まします。

③粗熱がとれたら、冷凍用のビニール袋に入れて、冷凍庫へ。

――その冷凍した実山椒を使って
◆豚肉のソテー

 材料

豚肉、ステーキ用、人数分
調味料(塩、こしょう、片栗粉、サラダ油)
付け合せの野菜(トマト、レタスなど何でも)
今回は、マカロニとキュウリのマヨネーズ和え。ミニトマト(中粒くらいのもの)をつくりました。

 作り方
CCF20120721_00003.jpg①豚肉は筋切りをし、表面に軽く切り込みを入れます。塩・こしょうをして、両面を片栗粉で薄くはたいておきます。
 フライパンにサラダ油をひき、両面をこんがりと焼きます。ミニトマトの皮に十文字に切れ込みを入れ、フライパンの隅で、ころがしながら焼くと皮が自然にむけて、付け合せにピッタリの焼きトマトになります。

②山椒ソース。このソース、何をかくそう偶然の産物なのです。山椒の実の佃煮をつくる途中、ちょっとお味見をしたら、その煮汁に山椒の香りと、程よい辛さが移って、なんとも美味しい。鶏肉や豚肉を焼いて、その上にかけて食べたいと、急遽半分はソース用に取り分け、残り半分は、そのまま煮詰めて山椒の佃煮にした次第です。

――というわけで、「山椒の佃煮」の作り方です。

 材料
山椒の実 1箱(約500g)*下準備は上述のとおりです
しょうゆ 180cc
みりん 80cc
酒   100cc
熱湯  100cc

 作り方
① 鍋に分量のしょうゆ、みりん、酒を入れ、沸騰させてアルコール分をとばし、粗熱のとれた山椒の実を一度入れ、弱火で煮込む。早く煮詰まりそうなら、さし湯100ccを加える(このとき、ソース用として取り分ける)。

②あとは弱火で静かに炊きあげ、佃煮にする。

 山椒は、あの小粒の実を小枝からはずすのが大変ですが、これから1年さまざまの料理に活躍する、まさに日本のハーブ。ぜひ、山椒を冷凍なさって下さい。

 レシピのアップが遅くなり、「山椒なんてとうの昔に終わったよ」という皆々様、どうぞお許し下さい。そして是非、来年おつくり下さい。

 もも家の冷凍山椒レシピ。イワシの煮付けにパラリ。アナゴの柳川鍋にパラパラ。ちりめん山椒には1つかみパッと、どうぞ、さまざまにおつくり下さい。

 それでは、またお目にかかります。暑さが続いております折、ご自愛下さいませ。

編集部より:大仁さんのフードレシピについては、このサイトで多数見ることができます。また、この記事の著作権は大仁浩子さんに帰属し、イラストの著作権は横江節子さんに帰属します。著作権の侵害にご注意ください。

〔もも家〕
TEL:078-391-2466
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-7-20 前川ビル2F
(三宮駅の北、徒歩5分)




 今月の食材はなんと「文旦(ぼんたん)」。九州、特に鹿児島の人には馴染み深い。その前に、あのタニカワ(タニガワではなく)俊太郎さんの「ことばあそびうた」が登場します。味わいが文旦に似ているかも。

ことばあそびうた
(文・料理/大仁浩子・「もも家」店主、イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)

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 さて、詩の感想文の宿題を思い出したついでに、娘にも「そんな宿題を出された覚えがあるかな」と聞いてみた。「あった、あったよ」と言う。そして、すらすらと暗誦しはじめた。それは谷川俊太郎の詩集『ことばあそびうた』からの二篇の詩。

 ひとつは、「はなののののはな」

 はなののののはな
 はなのななあに
 なずななのはな
 なもないのばな

 この宿題は、“漢字あてはめクイズ”だったらしい。平仮名を漢字に変えて暗誦してくるというもの。つまり「はなののののはな…」は、「花野の野の花 花の名なあに なずな菜の花 名もない野花」となる。

 ちょうどその頃、私達は、夫の転勤先の郊外で暮らしていた。社宅は、広大な田畑の中に建っている五階建てのアパート。春には、菜の花のあざやかな黄色がどこまでも続いていた。娘は、ベランダの柵越しに菜の花を見ながら大きな声で暗記したのだった。やがて、その「なのはな」は娘の原風景となった。

 「世界で一番好きな花は菜の花」という素朴で飾り気のない娘に成長し、パソコンのハンドルネームにも「nanohana」が登場している。

 そして、もう一篇は「いるか」。

 いるか いるか
 いないか いるか
 いないいない いるか
 いつなら いるか
 よるなら いるか
 またきてみるか

 いるか いないか
 いないか いるか
 いるいる いるか
 いっぱい いるか
 ねている いるか
 ゆめみて いるか

 この宿題は、「さて、この詩の中に水族館で見かけるイルカは何頭でてくるでしょう」という数字クイズ。この詩からは、「ことばあそびうた」のタイトルにふさわしく、水族館の「イルカ」と動詞の「居るか」が綯交ぜになっていて、日本語の掛詞の面白さ、楽しさが伝わってくる。娘は、一度読んだきりで「イルカは9頭」と即答。一連目に4頭、二連目で5頭と言う。

 「そうかなあ」と私。「(居るか、居ないか、居ないか、居るか)で始めると、一連目にはイルカは現れてこないけどなあ」と言うと、「そんなのヘンや。イルカは泳いでいるもん」と、すでに娘の頭の中には「イルカは、グングン泳いでいる」ということだった。この詞の「イルカ」と「居るか」は、読み込めば読み込むほど限りなく変換し、揺れていく。しかし、娘の「グングン泳ぐイルカ」の想像力の前には、掛詞も、まして何頭いるかなど、数ももうどうでもよいことに思えてくる。

 答案用紙には、「イルカは9頭です」と、エンピツで書かれていた。

 娘と詩の思い出話をしていると、谷川俊太郎氏があるインタビューに答えておられる記事が目にとまった。それは、試作の姿勢について「ほとんどの詩人が自己表現にこだわり、自分の感じ方、考え方を押し出すのが詩だと思っている。僕は、あまりそういうところがなくて、詩を読む人や聞く人を楽しませてあげたいというのが先にある」と、語っておられた。

 「詩を楽しんで」という想いは、この二篇からも十分に伝わってくる。娘は、小学生の時代に、この詩に出会い、言葉の不思議さに気づいた、と言う。詩は不思議だ。心の奥にしまいこまれた、その言葉は、時々ふっと日常の暮らしに立ち上ってくる。そして、その言葉には羽でもはえているように、一瞬にして、想像の世界へと、飛び立たせてくれる。

 「数ある宿題のなかでも、詩の宿題はよく覚えているわ」と娘は楽しげに言った。「言葉で遊べるなんて、何て幸せなこと」と私は言った。

 その日、母娘は「ことばあそびうた」で言葉遊びを楽しみ、菜の花畑の道を、どこまでもどこまでも、歩き続けたことを思い出していた。

*相楽園
神戸で初夏の庭を楽しむなら、相楽園をおすすめします。この庭は、池泉回遊式の日本庭園。つつじやさつきの花の名所です。池に移築された「川御座船の船屋形」は重要文化財。
神戸市立相楽園:神戸市中央区中山手通5-3-1
TEL.078-351-5155


「もも家」のフードレシピ

文旦のゼリー

CCF20120602_00001.jpg 3月にさしあげた、イカナゴのくぎ煮の御礼にと見事な文旦が届きました。

 さっそく、黄色の厚い皮をむいて、口に。サクサクした果肉は香り高く、上品な酸味と甘味のバランスが初夏にふさわしい果物です。

 友人に「ありがとう。大好物なのよ」と電話すると「果肉もおいしいけど、皮も捨てないで、食べてね」とのお返事。それで、今月は試行錯誤の末にたどり着いた「文旦の皮のゼリー」のレシピをお届けします。







 材料
文旦 3個(1個400~500g)
レモン 1個
白砂糖 皮の分割の7割(約700g)
グラニュー糖 適宣


 作り方
CCF20120602_00002.jpg①文旦は、表皮をごく薄くむきます。

②4つ割にして、果肉だけをはずします。
 このとき、なるべくしろいスポンジ状の部分を残します。この部分がゼリーになります。はずした果肉は……食べます!
 さらに縦割りにして(つまり1/8の細さ)4つに切り分けます。

③大鍋に熱湯を用意し、③の皮を入れ、浮かせないように木杓子で沈めながら、再沸騰させ、ふきこぼれないよう1分ゆでる。
 ザルにとり、冷水で10分さらす。
 この熱湯で1分、冷水10分を3回繰り返しアクと苦味をとる。
 その後、一晩水にさらしておく。

④ザルにとり、水気をざっと絞り、総量を計り、その量の7割の砂糖を用意する。

CCF20120602_00003.jpg⑤セラミックコーティングの深鍋に④を入れ1/3量の砂糖で煮る。煮詰まらないよう、底から杓子で大きく返しながら煮る。
 水気がなくなれば、次の1/3の砂糖を入れ、煮詰まって、アメ状に砂糖がからんできたら残りの1/3の砂糖を入れる。

⑥レモンの皮をおろし金ですりおろし、果汁1/2個分も振りかけて香りづけする。
 この頃になると、文旦の皮は半透明のゼリーに変身していきます。

⑦粗熱をとり、表面がやや乾いてきたら。グラニュー糖でお化粧し、くっつかないように、紙の上で並べ、自然乾燥させます。

 できあがりをおみせできないのが残念ですが、ほろ苦い甘さと、やわらかな食感のゼリー。

 口に入れた友人たちが、「文旦の果汁とゼラチンでつくったの?」と問いますが、「いえいえ、文旦の皮だけ」と答えると、2度ビックリの文旦ゼリー。

 文旦は高級な果物ですが、店頭でみかけたら是非、文旦ゼリーお試し下さい。

 皮も身も全部おいしくて、とってもエコな今時の果物です。

 それでは、また次回お目にかかります。


編集部より:大仁さんのフードレシピについては、このサイトで多数見ることができます。また、この記事の著作権は大仁浩子さんに帰属し、イラストの著作権は横江節子さんに帰属します。著作権の侵害にご注意ください。

〔もも家〕
TEL:078-391-2466
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-7-20 前川ビル2F
(三宮駅の北、徒歩5分)



町に花があふれる季節。その花というタイトルの詩があります。その詩にまつわる話と、今月のレシピは、カンタンで美味しいオイルサーディンのカナッペ。ぜひ、この季節に試していただきたいものですね。

「花」という詩
(文・料理/大仁浩子・「もも家」店主、イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)

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 はじめて「詩」という文体を読んだのは、小学生の頃。教科書か、それとも副読本だったか、もうあまりにも時間が過ぎた昔のこと。それでもこの詩を覚えているのは、この詩についての感想文が宿題になっていたから。その詩は、「花」、作者は村野四郎。

 いちりんの花をとって
 その中をごらんなさい
 じっとよく見てごらんなさい
 花の中に町がある
 黄金にかがやく宮殿がある
 人がいく道がある 牧場がある
 みんないいにおいの中で
 愛のようにねむている

 ああなんという美しさ
 なんという平和な世界
 大自然がつくりだした
 こんな小さなものの中にも
 みちみちている清らかさ
 この花のけだかさを
 生まれたままの美しさを
 いつまでも心の中にもって
 花のように
 私たちは生きよう

 さて、どうしても、この感想文が書けなかったのは、この詩の一行につまずいたから。そのフレーズは「花の中にも町がある」というところ。学校の花壇のチューリップの中をのぞいても、家に咲く木瓜や垣バラの花の中からも町などは、見えはしない。それで「詩人という人は、普通の人が見ることができないものが見える、という特別な目を持っている人で、この詩はわかりません」と書いたら、「特別な目というのは、詩人の想像力のことですね」と担任の先生の赤ペンの書き込みがあった。想像力と言われても、と、幼い頭は、ますます混乱するだけだった。それで今にいたっても、想像力は乏しいまま。見えないものは見えてこない。

 神戸の北野坂は、JR三宮駅から北へ5分ほど歩いたところにある。そのゆるやかな南向きの坂道で、インフィオラータが始まった。

 イタリアでは、キリストの聖体の祝日の行列(コルプス・ドミニ)には、道に花を撒くようだ。それに倣い神戸では、道にチューリップの無数の花びらで、モザイク画のように絵を描き、花のカーペットを敷いてゆく。初夏のまぶしい光の中で、人々はその絵に近づいてみたり、絵に添って歩いたり、高いビルのベランダから見下ろして、花絵を楽しむ。それは、花に埋もれた、春のうれしさがあふれるお祭り。歩きながら、ふと思い出した、あの詩のフレーズ。想像力は乏しいままだから、やっぱり、「花の中に町がある」のではなく、「町の中に花があるんだよね、ほら、こんな風に」と。おまけに、この北野界隈は宮殿のような異人館、山の上には六甲山牧場まであり、詩のシチュエーションどおりなのだ。

 やっぱりいつまでも、詩の宿題はやり残したままだ。あの赤ペンで書かれた「想像力」もどこかに置き忘れている。けれども、けれども、この詩人が、本当に伝えたかった言葉「花のように 私たちは生きよう」は、今でも、そしていつまでも、永遠の宿題として心に刻んでおこう。解けない宿題のように。

*インフィオラータ こうべ
三宮あじさい通り/元町穴門商店街/西元町6丁目商店街/北神戸田園スポーツ公園
いずれも4月28日(土)~29日(日)

北野坂/三井アウトレットパーク
5月3日(木)~5月4日(金)


「もも家」のフードレシピ

オイルサーディンのカナッペ

CCF20120428_00001.jpg 神戸では4月下旬から、「インフィオラータ」が市内の各地ではじまります。道路や広場を大きなカンバスに見立て、チューリップの花びらを絵の具代わりにし、柄模様を描いてゆく花絵アート。インフィオラータはイタリア語で「花を敷き詰める」。イタリアのジェンツァーノ市のほか、ヨーロッパ各地で実施される市民のお祭りです。

 さて、初夏を思わせる日差しに誘われて、干し野菜作りに挑戦しています。野菜は干すと甘みが増し、特に水分が蒸発しているので炒め野菜に最適な調理法(?)。色とりどりの野菜を干していると、さしずめ、小さなインフィオラータ。野菜の美しさにウキウキとします。

 今月は、この干し野菜とオイルサーディンを使ったカナッペ。ほんとうに「あっ」という間にできあがります。でも、美味しさは御墨付。「もも家」でもリクエストの多い一皿です。ぜひお試し下さい。

 材料
・カナッペ用の薄切りフランスパン、ソーダクラッカー
・具材
  赤や黄色や緑色のピーマン 適宜
  玉ねぎ 中1個
  オイルサーディン 1缶
・調味料
  濃口醤油 大1 塩こしょう 少々

 作り方
①ピーマンはそれぞれ4つ割にし、中の種をとり除き、ハトロン紙か、盆ざるに並べてほします。5~6時間が目安です。

②玉ねぎは、新玉ねぎのシーズンでまだ水分が多いので、細い櫛状に切って干します。

CCF20120428_00002.jpg③フライパンに、オイルサーディンを漬け油ごと入れ、火をつけ、中火で、表面が少しカリッとするくらい、揚げ焼きします。

④フライパンの半分の面で、野菜を炒めます。量はお好みですが、玉ねぎは中1個、ピーマン類は1/4個を細切りにして使います。

⑤④がしんなりして玉ねぎから香りが立ってきたら、塩こしょうを少々。
オイルサーディンに、醤油大1をふりかけて、カナッペの具材は出来上がり。

⑥カナッペ(canap醇P仏)=薄切りの小さなパンのこと
バゲットを薄切りにしたものか、食パンをトーストして使います。今日は、お手軽にソーダクラッカーで。

 ビールやワインによく合うカナッペ。
 干し野菜の旨味が味わえます。お天気のよい日に、ぜひ、お野菜を干して下さい。では、来月、またお目にかかります。


編集部より:大仁さんのフードレシピについては、このサイトで多数見ることができます。また、この記事の著作権は大仁浩子さんに帰属し、イラストの著作権は横江節子さんに帰属します。著作権の侵害にご注意ください。

〔もも家〕
TEL:078-391-2466
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-7-20 前川ビル2F
(三宮駅の北、徒歩5分)