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         スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.217(2020年1月号)←詳細&購入はここ!
SQ表紙217
『特集 股関節鏡の現在
── 診断、治療、リハビリテーション」
1.「股関節鏡視下手術──適応疾患の診断」
錦野匠一・錦野クリニック 整形外科
 
2.「股関節鏡視下手術の現状」
宇都宮 啓・産業医科大学若松病院 整形外科

3.「股関節鏡術後のリハビリテーション」
高橋 誠・産業医科大学若松病院 理学療法士

4.「FAI関節唇損傷術後のアスレティックリハビリテーション」
畑中仁堂・じんどう整骨院アスリート

社会で活きるスポーツ

久米先生顔イラスト ブログ
 大型連休も終了しましたね。僕としては「やれ、やれ」という感じなんです。というのは、僕にとっての連休初日3日の日曜日には午前中に大学アメフト部の練習に参加し、午後はATとしてジュニアサッカーチームのゲームに帯同、翌日4日と6日は再びアメフトの練習や遠征につきあうといったスケジュールだったのです。グラウンドに立たずに済んだのは5日のこどもの日ぐらいでした。まぁ、おかげで今話題の空港インフルエンザ検疫とは無関係な生活をさせていただいておりましたが。

 せっかくの休みをスポーツで潰してしまって、なんて書くとここの読者からはお叱りを受けそうですが、スポーツを生業としている当方としてはたまにはスポーツとは違う世界に身を置くのもいいなぁと時々考えるわけです。そこで、今回はちょっと気になっていた本を読む事で、ほんの少し自分の世界から飛び出してみました。

スポーツにカツ5 ブログ用 一冊目は「裏話のないよい話―次世代型社会貢献の考察―」((株)オーク 2007)です。

 本書はNPO法人ジャパンウエイが編集したもので、このなかで、「マッチングギフト(Matching Gift)」という社会貢献手段を紹介しています。このマッチングギフトとは「企業が構成員である社員とその勤務する企業とが共同して行う社会貢献ツールの一つ」で「これにはいくつかのタイプがあるが、典型的なものは、社員が自発的に行った寄付に対して勤務する企業も上乗せして寄付し(マッチング)、社員の社会へ貢献を増額支持する仕組み」だといいます。

 アメリカでは、すでに1960年代後半から広まったそうです。さすが、寄付の国ですね。また、寄付先は社員と企業とで決めるそうなので、ということはその企業がある地元で社員がボランティア活動し、そこにマッチングギフトすることで企業の社会的貢献活動(メセナ活動)が成立することになります。因みにこのマッチングギフトにはお金でなく、製品やサービスをギフトするタイプもあるそうです。

 もう一冊は「いつか、すべての子供たちに」(ウエンディ・コップ著 東方雅美訳 英治出版 2009)です。

 この本は、主人公である著者が大学卒業を迎えて社会にどう船出しようか考えていたとき、学習チャンスを正当に与えられないために将来の夢を描くことを断念したり、夢さえも描けぬまま人生を過ごしている人々がいることに気づき、この自由の国アメリカから教育の不公平をなくそうと決意したところから始まります。そして、著者はティーチ・フォー・アメリカ(TFA)という組織を立ち上げて、全米400大学から選び抜かれた優秀な若者を学力レベルの低い公立学校に教師として送り込み、主に国語と算数の成績を上げることを目標にして活動を始めました。

 制度の違いもあり、このままわが国でも実現可能とは思いませんが、著者の熱意は訳者の実力もあってか本書のいたるところに充満していることがわかります。

 そして、本書の解説を書かれた渡邊奈々さんの言葉が印象に残りました。

『(本書に書かれている)「夢」は「規制のない自由な社会構造」を誇るアメリカが生んだ、桁はずれの富を手に入れるという従来的な「アメリカン・ドリーム」とは違う。(中略)もっとスケールの大きい“人類の物語”に対するインパクトを生み出すことへ(アメリカン・ドリームの意味が)移行しつつある』

 これは、スポーツについても同じことが言えると思いました。わが国でも今成功しているスポーツはみな社会的インパクト力を持っています。それは、世界と互角に戦える力だったり、新たなヒーローの登場を予感させる力だったりします。いずれにしても、これからのスポーツは社会へのインパクト力、社会貢献力を意識していかねばならないと強く感じました。

 おっと、やっぱりスポーツの世界に戻ってきてしまいました。

久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
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