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スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ:(旧)月刊スポーツメディスン公式ブログ:
 
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担架をカツげ!

久米先生顔イラスト ブログ
 「おーい、担架持ってこーい!」こんな声がグラウンドに響くと、思わず緊張してしまいますね。しかし、スポーツには怪我が付き物です。問題は、怪我した後でしょう。如何にして最小の怪我でくいとめることができるか、怪我した後の処置方法の是非によっては命にかかわることもあるのです。

 先日私が勤めている大学で、アスレティックトレーナーに将来なることを目指している学生を対象にして「AHA(American Heart Association:アメリカ心臓協会)トレーニングプログラムによる心肺蘇生法・救命処置講習会」が開かれました。講師は本学トレーナーコース所属の多田久剛先生を中心に、同じく本学の救急救命コース所属の先生2名と外部講師の先生2名の合計5名です。一方、受講生は約30名で、私もその一人となって講習を受けました。

 AHAはアメリカ合衆国に活動拠点を置く世界最大規模の医学系学会だそうで、世界の心肺蘇生教育をリードする団体でもあるそうです。そして、私たちがこの日受けた講習は、「BLS(basic Life Support:一次救命処置)ヘルスケアプロバイダーコース」という、乳児・小児・成人の心肺蘇生法と気道異物除去、AEDによる心臓除細動、バックマスクによる人工呼吸法を身につけるコースです。

 講習会はPWW(Practice while Watching)という方式で進められました。これは、AHAが作成したDVDを見ながら講習をおこなう方法で、つまり、DVDの中で示されるデモンストレーションに沿って心肺蘇生などのトレーニングを行うのです。これによって、胸部圧迫時の正しいテンポなどが身につきやすくなるというわけです。DVDの内容は実際に起こった事故をもとに作られており、ドラマ仕立てになっているので、大変見やすく、理解もしやすい内容でした。

スポーツにカツNO14 001 午前中は、先ずダミーを使って心肺蘇生法(CPR)の訓練から入りました。ここでは、私が以前に受講した日本赤十字社の救急救命講習会で学習した内容、つまり被害者への接触、周囲の人々への援助のお願い、気道確保、呼吸の確認、脈の確認そして心臓へのマッサージ開始などの一連の方法は変わりないようでした。ただ、心臓マッサージのテンポが1分間に100回と以前よりは速いテンポになったように感じました。次にポケット・マスク(写真参照)を使用しての人工呼吸法のトレーニングでは、救援者が二人以上いた場合の効果的な心肺蘇生法などについても訓練を行いました。

 AEDの使用訓練では、その使用に際しての注意点などが詳しくDVDの中で説明されていました。中でも興味深かったのは、被害者に胸毛がある場合の対処の仕方でした。

 DVDでは胸毛が剃ってからパッドを張るように指示しており、そのためのクリームとシェーバーを用意すると良いと解説していました。DVDは米国製ですので、モデルも米国人です。想定されることなのでしょう。日本でも外国の選手は活躍しているので、今後はトレーナーバックの中身に剃刀とシェービングクリームを加えたほうが良いようですね。

 この他にも、トレーニングではバックバルブマスク(BVM)を使った人工呼吸法やハイムリック法による気道異物除去方法、乳児に対する人工呼吸法などが行われました。

 最後には筆記テストも行われ、閉会式で「ヘルスケアプロバイダー」資格合格者の発表がされて、無事閉会しました。

NO14スポーツにカツ 001 私も無事に合格証を頂きましたが、これが役に立つことがあまりないように祈りたいと思います。

久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
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