スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.188(2017年2・3月合併号)←詳細&購入はここ!
msm188-Taguchi.jpg 特集『特集 痛みへのアプローチ』
──「痛み」の理解と治療、スポーツ現場での対応  
1.「スポーツ現場における「痛み」の捉え方」
川口浩太郎・兵庫医療大学リハビリテーション学部 PhD,PT,
       JASA-AT
坂口 顕・兵庫医療大学リハビリテーション学部 PhD,PT
            
2.「スポーツ現場における物理療法」
坂口 顕・兵庫医療大学リハビリテーション学部理学療法学科
      PhD,PT
川口浩太郎・兵庫医療大学リハビリテーション学部 PhD,PT,JASA-AT
 
3.「運動時痛に対する機能的アプローチ」
吉田奈美・はちすばクリニック、理学療法士
川野哲英・医療法人社団 昇英会 はちすばクリニック副院長、FTEX Institute 代表


   
神戸・元町で10月12日に「神戸キッズスプリントチャレンジ!」(「もとまち元気アップ!プロジェクト実行委員会」主催)。

50mの特設トラックを元町商店街や大丸神戸店に近い市街地に設け、そこを朝原宣治さんや塚原直貴さんが、市内小学生とともに走る。

このイベントのホームページも開設されました。ぜひ、ご覧下さい。(清家輝文)
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全日本実業団

 先週末は陸上の全日本実業団の試合があって岡山にいました。たぶん、全国的にだったと思いますが、岡山は気温が30℃近くまで上がって秋の気配はゼロ。真夏の頃と変わらない感じで日焼け止めをたっぷり塗りました。

 やっぱり岡山といえば桃太郎。街中でも桃太郎の文字やイラストに出会います。そして、競技場の名前も桃太郎スタジアム。

アレコレ日記7 全日本実業団はチームごとの対抗戦。プログラムを見ると強豪チームの名前と並んで、○○クラブ、○○治療院、○○商店、参加人数1名と記載されているところもある。

 昔、私がサポートしていた選手も大学卒業後、実業団に入る力はないけれど陸上は続けたいと言って、実家の商店所属で実業団登録し試合に出ていたことがある。何かを掴んだ気がする。やっと記録が伸びてきた。大学まで頑張ったけどこのままでは辞められない。もう少しチャレンジしてみたい。そんな気持ちを持って続けているんだと思う。前述した彼もそう言っていたので。

 そして、この大会の途中ではジュニアの試合も行われ、その表彰式にプレゼンテーターとして現れたのが、昨年の北京オリンピックの4×100mリレーで銅メダルを獲得した立役者。朝原氏。一緒に走った塚原選手や高平選手は選手として参加。メダリストが三人もこの場にいるなんてファンにとってはめちゃエキサイティング。そしてこの大会には今年ベルリンで行われた世界選手権に出場した選手も参加。色紙を持った小中学生が会場を走り回る。

 アップ中以外であれば、どの選手も子どもたちの要望に答えて笑顔でサインしたり写真を撮ったり。選手もファンに支えられているのがちゃんとわかっているし、子どもたちにも陸上をもっと好きになって続けて欲しいと思ってる。

 で、実業団なのでお父さん選手も多く、パパの応援に駆けつけたちびっ子たちも駆け回る。陸上DNAを持った子どもたち。将来は陸上選手かしら。


津田清美・日本体育協会公認アスレティックトレーナー


足の勉強会

 近年、健康シューズを売る店が増えてきています。大手メーカーもこの関連のショップを展開しており、健康シューズの分野はこの不景気の中でも盛り上がりをみせております。それだけ世間一般でも『楽に歩くこと』へのニーズが高まっているのでしょう。

 私たちは『立つ』『歩く』ということが生活のベースであるので、歩くときの微妙なバランスを崩してしまうと膝や腰などいろんな所に悪い影響が出てしまいます。

 以前のブログで足の機能について簡単に言いましたが、少し足の骨の位置を変えてあげたり、足指の機能を変えてあげたりすることで、膝の症状が改善することも少なくありません(もちろん膝にたいするアプローチも必要ですが・・・)。中敷き屋さんなんかも増えているようですが、作る人はメーカーから指導された方法論だけでなく、ちゃんと足部機能や上位関節への影響についても勉強して本当に良いものを売ってほしいと願います・・・。

勉強会 3 今年度は足の講習会の企画を多くしておりますが、その総括も兼ねて先週土曜日に足部の勉強会を行いました。やまぎわ整形外科の内部勉強会なのですが、他院の方も多数いらして下さいました。ありがとうございました。次(10月3日)は実技をする予定です。参加希望の方はご連絡くださいね。

 足底板を作っていてよく思うのですが、足とスパイク(サッカー、ラグビー)が全然合っていない人が本当に多いです。

 足の幅に合わせると前が余りすぎるし、前に合わすと足指が曲がって縮こまっている・・・。これでは人間本来のもつ足部の機能は働きませんし、パフォーマンスは落ちます。慢性的なスポーツ障害になる可能性もあります。足底板で対処するには限界があるので、正直困る場合があります。良いアイデアがある方は教えて下さいね。

 今回はこの辺で・・・。

ReCo代表 吉村直心
コラム執筆者として新たに内田先生に参加していただき、スポーツ整形外科医としての専門的なお話を掲載していただくことになりました。すでに2回。今後が楽しみです。

内田先生は個人ブログも開設しておられます。そちらもどうぞご覧ください(内田先生のコラムの最後にリンクしてあります)。

さらに、新たにアスレティックトレーナーの方とインストラクターの方にも依頼。間もなく、新たなコラムが2本増えるということになります。

賑やかになってきました。今後ともこのブログ、お楽しみに!(清家輝文)
アスリートの股関節痛 Femoroacetabular Impingementに対する股関節鏡視下手術 

 小職は、アメリカのSteadman Hawkins Clinic の股関節鏡視下手術年間400例の症例数を誇るDr Marc J Philipponを訪問し、10日間手術外来見学ならびにキャダバートレーニングでご指南をうけました。

 股関節鏡視下手術の適応、アスリートに多い股関節インピンジメント(Femoral Acetabular Impingement FAI)の診断、股関節痛の原因となる他病変との鑑別、治療方法の立案と関節鏡視下手術の実際、さらにメディカルリハビリテーション、アスレチックリハビリテーションを習得しました。

 アメリカの現状と、帰国後実際に行っている、FAI診断から手術、メディカルリハビリからアスレチックリハビリまでの治療をご紹介いたします。

 アスリートの股関節痛は、診断が明確にされずに、保存的治療に抵抗し、治療に難渋することも少なくなくありません。股関節痛の原因としてはTable1にあるような疾患外傷があげられます。

 なかでも股関節インピンジメント(Femoral acetabular impingement 以後FAI)はGanzらが2001年(1)に報告して以来、股関節痛を引き起こすインピンジメント病態として、診断治療が進歩してきました。

 FAIは、大腿骨骨頭から頸部のオフセットの骨形態異常からインピンジメントを引き起こすCAM impingement、寛骨臼蓋の骨棘や形態異常によるPincer Impingementからなり、両者が合併していることが約86%と報告されています。(2)
 両者がインピンジすることにより、関節唇損傷を来たし、次第に軟骨損傷をきたします。

[診断へのアプローチ]
病歴:まず詳細な病歴を聴取することが大切です。
活動制限として、中等度から明らかな疼痛、重労働時の疼痛、15分以上歩行すると疼痛、座位からの立ち上がりでの疼痛を訴えます。
運動制限としては、ランニング ジャンピング スタートとストップ動作での疼痛

[理学所見]
スペシャルテスト
FABER test(Flexion-Abduction-ER ) FAIの97%が陽性。
Anterior Impingement Test  FAIの90%が陽性。

[画像診断]
単純レントゲン写真: 
立位正面およびクロステーブル軸写にて、PincerならびにCAMの評価を行います。CE 角を測定して、臼蓋形成不全の有無、Cross-Over sign で臼蓋の後捻の有無を確認します。クロステーブル軸写では、アルファ角(正常値<50°)を測定し、CAM impingementの有無を確認します。

MRI:
関節唇損傷の評価は、1.5テスラ単純MRIで、偽陰性が80%と報告されており、有用ではありません。1%ガドリニウムを股関節内に注入した後撮影する MR arthrogramが偽陰性率が8%にまで下がり、非常に有用です。 今まで、原因のわからなかった股関節痛で Groin Pain Syndromeの範疇として考えられ、治療に難渋した症例のなかにこのような病態が含まれている場合があります。

[治療]
NSAIDやリハビリによる保存療法に、3カ月以上抵抗する場合には、股関節鏡視下手術を考慮します。

股関節鏡の実際
 フラクチャーテーブルで、牽引を行い、前外側ポータルと前方ポータルを作成して、寛骨臼と骨頭の間の鏡視を行います。関節鏡視下に関節唇損傷を確認し、Pincer Impingementがあれば、関節唇を寛骨臼からはずし、Rim Trimingを行った後、関節唇を再縫着します。

 次に牽引をはずし、関節包内関節外鏡視、すなわち大腿骨頭から頸部のオフセット部分を鏡視します。CAM impingementが存在すれば、突出した骨軟骨をアブレーダーバーで削り、骨軟骨形成(osteochondplasty)を行います。

 FAIに対する 関節鏡視下手術は、この一連の術式によって、安定した成績が得られるようになってきています。プロスポーツ選手のFAIに対しても、積極的に手術を行うようになり、45人のプロスポーツ選手のFAIに対して関節鏡視下手術を行い、93%が元のレベルに復帰したと報告しています(2)。

 わが国では、診断学が普及しておらず、また股関節鏡視下手術はテクニカルディマンドな手術であり、一般的ではありません。

 スポーツ整形外科医の視点からみて、股関節痛で スポーツパフォーマンスが低下している選手には、有用な診療アプローチの一つとして期待されます。

 詳しくは動画も掲載しています。私のブログまで。

1)Ito, K, Minka, Leunig, M, Werlen, S, Ganz, R. "Femoroacetabular impingement and the cam-effect. A MRI-based quantitative anatomical study of the femoral head-neck offset." J Bone Joint Surg B 2001 83(2) 171-6
2) Philippon, MJ, Stubbs, AJ, Schenker, ML, Maxwell, RB, Ganz, R, Leunig, M "Arthroscopic management of femoroacetabular impingement: osteoplasty technique and literature review Am J Sports Med 2007 35 (9) 1571-80.
3) Philippon M , Schenker M, Briggs K and Kuppersmith D
Femoroacetabular impingement in 45 professional athletes: associated pathologies and return to sport following arthroscopic decompression. Knee Surg Sports Traumatol Arthros 2007 15(7) 908-14


内田宗志
産業医科大学整形外科
日本体育協会公認スポーツドクター
114号が出ました。本当に好評です。

特集は「腰椎分離症の研究-つくかつかないか、すべるかすべらないか」。世界的に知られる西良浩一(さいりょう・こういち)先生にたっぷり解説していただきました。貴重な図も多数収録。カラーでも15点掲載しました。(一番上の欄をクリックすると詳細を見ることができます。カラー図もPDFで見られます)

腰椎分離症について、最新、最前線を詳しく紹介する特集です。見逃せませんよ。早めのご購読をおすすめします。

次号、115号もすごい内容になりそうです。「そうだったのか!」という新しい事実を紹介します。

おっと、114号では「20周年記念」読者プレゼントも用意しました。ぜひご応募ください。けっこう当たります。(清家輝文) *なんと、本日早速最初の応募がありました! 早い!
カッて兜の・・・

久米先生顔イラスト ブログ 先週の日曜日、私が住む市原市で「第13回いちはら生涯スポ・レクまつり」が開催されました。

 場所は市原中央武道館。ここには、体育館、トレーニング場、弓道場、そして屋外に土俵があります。そして、毎年ここで「ちびっこ相撲大会」が開かれるのです。当日は、私も救護班の担当委員として、学生2名を連れて相撲大会に参加してきました。

 参加者は、市内の小学生1~6年生の男女です。参加者は全員、体育着の上から腰に“晒し”を巻いて“まわし”代わりにするのですが、1、2年生は、まさに“ちびっこ”の名にふさわしい可愛さです。しかし、5,6年生ともなると“ちびっこ”とはとても言えない立派な体格をしたお子さんもいたりして、見ているだけでも圧倒されます。

 取り組みは、学年毎のトーナメント方式で、優勝者を決めていきます。最初は1年生です。男女は関係ありません。低学年だから、勝負が簡単につくかというと、とんでもない。みんな土俵際で粘って、残って、投げの打ち合いです。「ノコッタ、ノコッタ」の行司の掛け声に合わせて、持てる力を振り絞って戦います。中には“水入り”なんて大取り組みもあるんです。それでも、そんな彼らの必死の形相をみていると、スポーツってやっぱりいいなぁ、と思ってしまします。だって、真剣に相撲と取っている彼らの顔には、ウソはありません。そこが、スポーツの魅力です。

スポーツにカツ25 001

 この相撲大会のもうひとつの魅力は、ご父母、友達や引率の先生方の応援です。参加形態が小学校毎に申し込むようになっているので、さながら学校対抗戦のような雰囲気になります。ですから、自分の学校の生徒が土俵に上がると、先生方も声を張り上げての応援です。もちろん、ご両親はそれ以上。

 昨年のことですが、私のところにテーピングを頼みにきたお母さんは「(痛いと言っている)息子はまだ試合がありますから、足をぐるぐる巻きにして、出れるようにしてやって下さい!」と真剣な表情で懇願してきました。

 学年が進むと、取り組みの迫力は格段と上がります。土俵際の攻防も、手に汗握るものが増えてきて、微妙な判定を強いられる場面も少なくありません。それだけに、低学年の時とは違って、ケガで救護班に駆け込んでくる子どもたちの数も増えるのです。

 私たちの仕事が、いよいよ忙しくなってきた頃、6年生の準決勝戦を迎えました。対戦相手の一人は、昨年5年生でチャンピオンになった生徒です。体格はガッチリした“本格派”です。

 昨年は、誰も彼の正攻法の“押し”を止められる者はいませんでした。2連覇なるか!? 行事の軍配があがり、取り組みが始まりました。予想通り、彼は脇をがっちり固めて、真っ直ぐの押しです。そして、そのまま土俵下へ相手とともに落ちました。「やっぱり、強い」と思った瞬間、彼が土俵下から立ち上がってきません。ここで、救護班の出番です。かれは、右ひざを抱えていました。どうやら、土俵から落ちた時に痛めたようです。彼の顔が苦痛で歪んでいます。次は、もう決勝です。2連覇がかかっています。「アイシング!」と私は学生に指示しました。審判団の方からは「時間だが、できるか?」と問い合わせが来ています。「現在、アイシング中なので、少し待ってほしい」と私は訴えました。少しの時間が過ぎた頃、彼はわれわれに言いました。

「兜の緒を締め直して、がんばります。もう大丈夫です。ありがとうございました」

 彼は、土俵に戻って行きました。

 「勝って兜の緒を締めよ」。戦国時代に、武将が自軍の弛みを諌めようとして用いられたと言われるこの言葉が、彼の2連覇を後押ししたことは、言うまでもありません。秋空の下、またひとりのヒーローが誕生しました。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)

前に紹介しました内田宗志先生から、メールが寄せられました。「スポーツ整形外科医のブログ」として掲載していきます。

■野球メジャーリーグで増えている股関節痛による故障者
New York Times (5月)で、股関節故障者が年年増加していると記載されていました。

ヤンキースのアレックス・ロドリゲス、フィリーズのチェイス・アトリー、投手マイヤー、 メッツのカルロス・デルガドといったメジャーリーグでも一流の選手が、股関節の故障で戦列を離れる事態が相次いでいます。、アトリーのチームメートであるブレット・マイヤーズ投手が、やはり股関節の手術を受けることになりました。

私の股関節鏡視下手術のお師匠さんであるMarc J PhilipponがAロッズやマイヤーズの手術をされました。

股関節の故障が原因で故障者リスト入りした選手は、
2007年が20人、
2008年が34人、
2009年は四分の一が終わった時点ですでに13人。

最近になって急激に増えている。これは10年前には考えられなかったことだとニューヨーク・タイムズが取り上げています。

プロスポーツ選手のあいだで、ACL損傷など、ヒザの怪我が増えた結果、トレーナーは脚の強化に力を入れてきました。スポーツ医学の専門家は、ヒザの怪我を減らすためのこの取り組みが、股関節を脆弱にしているのではないかと疑問視しています。

野球、フットボール、ホッケーなどの選手のリハビリプログラムを見ているトレーナーは「故障箇所だけを見て、全体の機能やバランスなどを見ていないのかもしれない。ここ数年、股関節の故障は、かつてないほど増えている」といっています。

一方、MRIなど画像診断の精度が上がったため、小さな故障も確認できるようになったことや、小さいときからスポーツを始める子供が増えていて、骨の形成に悪影響があることを指摘する専門家もいます。

確かに大腿骨頸部から頭部の出っ張りCAM LESIONなどは、成長軟骨を中心にでっぱってくるので、その影響があるのかもしれません。

トレーナーや整形外科医の多くは、ヒザの強化が股関節に影響しているとする仮説にショックを受けているが、トレーニング方法に問題があるとする見方に「以前から股関節の故障はあった。ただ、昔は今ほど診断がつかなかっただけだ」と反論する医師もいます。

私もそのように感じますが、子供のときには 一つのスポーツに特化するだけでなく、いろいろな動きをとりいれたほうがよいのではないかと思います。

日本でもわからないだけで 骨形態の異常があり、股関節痛の原因になっているひとが 私の外来に来られます。

近年の選手は身体が大きくなり、その分、足腰に負担がかかることや、若年からスポーツを始め、骨の形成が不十分なまま運動を続けるなど、いくつか原因は考えられると思います。

スポーツ医学の専門家は「リトルリーグでは投げ過ぎによるヒジの怪我が問題になり、注意するようになったが、股関節については、まだ研究されていない」と、NEW YORK のDr Bryan Kellyはいっていたそうです。

日本でもこのような研究が必要であると考えており、股関節痛を呈して手術にならないようにするための予防の研究が必要だと考えています。

野球による股関節痛で困っている方、日本でも治療が可能です。
正確な診断、精密かつ正確な手術、系統だったリハビリテーションがキーポイントとなります。

詳しくは私のブログで。

内田宗志
産業医科大学整形外科
日本体育協会公認スポーツドクター
「シルバーウィーク」はいかがでしたか? うんと楽しんだ人もいるでしょうし、「仕事、仕事」という人もいたでしょうね。当方は、後者です。しかし、けっこう楽しい取材でした。

さて、本日114号が発売になりました。詳細は、このサイトでご覧ください。特集の一部も閲覧可能です。

この号の特徴は、なんといっても画像が多数という点です。MRIやCT、レントゲンなど貴重な画像満載です。見逃せませんよ。

また20周年記念として、恒例の「読者プレゼント」を各企業のご協力を得て企画。役に立つ商品が揃いました。中には非常に高価なものもあります。ぜひ、ご応募ください。

話題になる号だと思います。お早めにご購読ください。(清家輝文)
 最近の横浜は、日中は暑いなと思う日はあっても、夜や朝は空気がひんやりと感じることが多くなりました。やっぱり夏は終わって秋が来るんだというのを実感します。

 さて、私はいつもこのブログのアップを月曜日と勝手に決めているんですが、今回は遅れました。遅れた理由は日曜の夜からバスケットボール女子U16の合宿に参加していたからなん。(ほぼ言い訳です・・・汗)

 U16はUnder 16の略。16歳以下というカテゴリーでほとんどが高校1年生。中に一人だけ14歳の中学2年生。でも彼女は代表に選ばれるくらいだから中学生に見えないくらい逞しい体をしている。2016年、東京にオリンピックがやってきたら、その頃は彼女たちも大人の仲間入りをしているころ。ここからオリンピックの舞台に立つ選手がでるんだ!と思うと、今からいろんなことを経験して逞しい選手に育って欲しいなぁ、という思いと同時に、何人残っているかなぁと考える。

 今回の合宿はU18との合同なので、合宿中は午前・午後とゲーム。今回の合宿はU16もU18も選考合宿。それぞれ15~20人集まった選手は双方とも12人に絞られる。これから先も、こういうことが繰り返される。U16の彼女たちも2年経てばU18となる。そこまでは限られた年代から選ばれるため選ばれる確率も高いが、高校卒業後、社会人になれば(実業団入りすれば)、年齢という枠がなくなってしまうため、日本代表入りは狭き門となってしまう。そっから先は百戦錬磨のお姉さま方とポジション争いをし、日本代表の座を勝ち取らなければならない。これは経験の浅い若手にとってはけっこう大変。代表に選ばれた嬉しさと、こんな自分で太刀打ちできるのかという不安。姉さんたちのそこはかとなく漂う威圧感。そんなプレッシャーと戦いながらコート上で自分らしさを出しアピールするのは簡単なことじゃない。自分のチームだとあんなに活躍できるのに、どうして代表に来るとダメなのか、という選手に何人かみてきた。自分のチームだと自分しかいないという責任感があっても代表では自分よりもできる人がいる・・・等など。

 そして技術や経験だけじゃなく、選手たちは怪我とも戦わなければならない。もちろん怪我がないのがベストだけれど、膝や足関節に痛みを持つ選手は少なくない。頑張りたいけど膝が痛い。ここで(日本代表)で頑張ったらリーグ戦までもたないかも・・・、いろんな思いが頭をよぎる。日本代表になるためには様々な経験やら試練(?)やらを乗り越えなければならないのである。

 U16は今年12月、インドでU16FIBAアジア選手権大会兼U17世界選手権大会予選が行われる。頑張れ!

 でもその前に。

 今月17日から同じインドで日本代表の第23回FIBAアジア女子バスケットボール選手権大会が行われる。この大会はスカパーJスポーツで放送されます。是非見てください!

 また、日本代表の活躍はバスケットボール協会のHPでチェック!

津田清美・日本体育協会公認アスレティックトレーナー

いよいよ今日から秋の大連休です。誰が名づけたか「シルバーウィーク」という表現も目立ちますが、どうもピンとこない名称です。

さて、その連休ですが、明日は特集の取材。特集タイトルはまだはっきりとは決めていませんが、内容は機能解剖に基づく正しいエクササイズです。当たり前のように実施されてはいるが、その妥当性を検証するというような内容になるかと。

現在3人の先生とアポイントメントがとれ、今月中にはすべて終わる予定。じっくり読んでいただける特集にするつもりです。

連休中は、本誌とは直接関係のない取材もあります。取材先は「定食屋さん」。別にグルメ特集ではなく、「食育」がテーマといったほうがよいでしょう。単に定食を食べてくるだけかもしれません(冗談です)。

では、みなさん、連休を楽しんでください。(清家輝文)
予定より1日早く入稿した114号は、今月24日(木)発売です。連休明けになります。24日発送ですので、早いところは25日には届くと思います。

西良先生の「腰椎分離症」に関する研究を詳細に紹介します。整形外科医など専門家が読むものとしても十分な情報量です。これまでまとまったものはないと思いますので、ぜひともご購読をおすすめします。図は33点を収録。うち15点は中カラーのページでカラー表示しました。

この号1冊で「腰椎分離症」に関する最新でもっとも進んだ知見が得られます。

「シルバーウィーク」と言われるこの大型連休。編集部では次号115号特集の取材を開始します。今月中に3人の先生に取材、相当インパクトのある内容になりそうです。

近々、いくつかの連載が終了しますが、新連載企画も進んでいます。お楽しみに!(清家輝文)
拝啓 鳩山カッ下殿


久米先生顔イラスト ブログ拝啓
 この度の「首相指名」、誠におめでとうございます。16日の首相官邸での就任記者会見をTVで拝見いたしました。その冒頭で、あなた「衆院両院で首相に選出された瞬間、日本の歴史が変わるという身震いするような感激」を感じたとおっしゃいました。そして、続けて「この国を本当の意味での国民主権の世の中に変えていかなければならない」ともおっしゃいました。誠に頼もしい限りです。

 TVで拝見する限りでは、いつもよりは少し怖い御顔でしたが、力みのない、すっきりとした自然体での挨拶であったと思います。しかし、人はわかりません。充実した御顔に見えていても、WBCのイチロー選手のように、実は胃に穴が開いていた、なんてこともあります。慌てず、(失敗を)恐れず、我慢せず、の精神でやってください。

スポーツにカツ24 とはいえ、政権公約(マニュフェスト)の実現に向けてのプレッシャーは相当なものでしょうね。中でも景気対策に関する項目は、最優先であることは十分に理解できます。ただ、申し上げたいことは、そういった最優先課題が、必ずしも最優先とは限らないということものあるのです。現時点で、結論の時間が差し迫っている重要な課題もあるということを、お忘れにならないでください。

 たとえば、2016年夏季オリンピック招致の問題です。この開催地の決定が10月2日に迫っています。新聞によりますと、16日にあなたが首相指名を受けた後に、森元首相が、開催地が決定するオリンピック委員会総会に「何とか行ってほしい」と言ったとあります。それに対して、あなたは「まじめに考える」と返したそうですが、言葉尻だけ捉えるならば“まじめに”ではなく“本気で”考えてほしいのです。

 わが国で政権交代が起きたことは、世界中が注目しています。IOC委員も同じです。交代した新リーダーが、オリンピック開催にどれだけ意欲を持っているのか、注目しているのです。

 あなたは、学生時代、アメフトをやっていたそうですね。ならば、アメフトの特徴のひとつにベンチ・ワークにあることは、よくご存知なはずです。もし、あなたが、相手チームのヘッドコーチがグラウンドにいる選手たちに全く関心を示さず、ベンチで一人座って他の仕事をしているのを見たら、「このチームは駄目だな」と思うでしょう。

 博学のあなたに、こんなお話は大変失礼であることは重々承知ですが、お聞きください。

 孔子とその弟子の言行録である「論語」の一説に

「子曰く、君子は器ならず」

 という言葉が載っています。君子は「器」であってはいけない。なぜなら、「器」はひとつのものしか入れられない。君子は、そのような狭量ではいけないのだ、といっているのです。

 さらに、弟子が孔子に質問する件があります。

「子貢、君子を問う。子曰く、先ず行え。其の言はしかる後に之に従う」

 つまり、弟子の子貢が「君子とはどのようなものですか」と聞きます。これに対して、孔子は「まず、行動することだ。言葉はそのあとで良い」と答えるのです。

 鳩山首相、あなたは大変な紳士でいらっしゃいます。服装を見ればわかります。これからは、君子でもあらんことを、私は心よりお願い申し上げる次第です。                  敬具


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
福岡で開催された第12回FTEX Institute全体研修会については、「リコ日記」で吉村先生が記されていますが、そこで御目にかかった産業医科大学の内田宗志先生がブログを開設されています。

うかがったところ、月1万以上のアクセスだそうです。専門的な話をわかりやすく記されています。面白いので、紹介させていただきました。(清家輝文)
財団法人日本健康スポーツ連盟より『運動指導者のための実践的運動療法・疾病予防セミナー』のセミナー案内が届きましたので、ご紹介します。


運動指導者のための実践的運動療法・疾病予防セミナー

■水中運動療法セミナー

会期/平成21年10月11日(日)・12日(月・祝)

会場:田園スイミングスクール(神奈川県川崎市)

内容/機能障害に対する水中運動療法。運動機能、バランス、痛みなどの問題を持った方に個別治療で実践し、問題を解決できる技術習得。ハリヴィクコンセプトを基にした水中運動療法とバートラガッツリングメソッドの基礎的な技術習得。

講師/長谷川 淳(スイスリハビリテーションセンタークリニックバレンス 理学療法士)

受講料/2日間 18,000円

■陸上運動療法セミナー

会期/平成21年10月11日(日)・12日(月・祝)

会場/田園スイミングスクール

内容/リハ後から生活活動に向けてのメディカルフィットネス等の運動現場での指導。整形疾患、中枢疾患、慢性疾患、高齢者独特の疾患に対する指導医療と運動現場での連携

講師/川崎孝晃(専門学校 東京医療学院講師)

受講料/2日間 16,000円

■公共型健康増進施設での運動処方について

会期/平成21年10月18日(日)  

対象者/保健師、管理栄養師の方

内容/港区ヘルシーナにおける運動処方とプログラム。運動負荷試験実施とケーススダティ。

講師/稲次潤子(港区医師会、健康スポーツ医、健康運動指導士)

受講料/6,000円

■メディカルフィットネスにおける医療連携について

会期/10月24日(土)・25日(日)

内容/青木クリニックにおける医療連携の運動療法について。医師によるメディカルチェックの実際と運動処方。運動プログラムの留意点と実際

講師/青木栄三郎(青木クリニック院長)、他医師、健康運動指導士

受講料/2日間 16,000円

上記セミナーの問い合わせ/
財団法人日本健康スポーツ連盟  担当  田中
東京都千代田区神田淡路町2-9-11-5F
TEL.03-5256-1861
FAX.03-5256-1865
※詳細は、HPに掲載
 
  
FTEX全体研修会 in FUKUOKA

 去る9月12日、13日にFTEX全体研修会が博多で開催されました。

 FTEXとはFunctional Therapy and Exercise の頭文字をとった名称で、要はヒトの機能的な動きをセラピーやエクササイズによって導いていこうというものです。

 日々酷使されている自分の身体が楽に動かせるようになったら、作業の効率もあがります。また何よりも今までと同じような動きをしていても『ああ楽だな・・・。』って思えるようになることは非常に大きなことだと思います。

 しかし『機能的な動き』と『楽な動き』は必ずしも一致しないように思います。『機能的な動き』とは構造的・運動学的に適切な関節運動が行えていて、適切に筋活動が行われていて、その動きに関わるすべての関節がうまく連動した動きのことと言えると思います。

 一方で『楽な動き』とは個人の感覚的なもので、運動学的に見て非効率的な動きをしている場合もあります。本人が楽に動けていると思っている動きを非効率的だといって直してしまったら全体の動きのバランスが崩れて余計にダメになることもあります。

 だからすべての関節を『機能的な動き』に別々に導いてそれで終わりというのはナンセンスであり、機能的に改善した部分を全体の動きの中に連動させていくことが大切であると思います。機能的な視点を持ちつつもその人の感じる『楽な動き』を導いていければ良いですね。


ReCo代表 吉村直心


★吉村先生は、第12回全体研修会のプログラムも送られてきましたが、長くなるので割愛しました。詳細については上記の赤い文字(FTEX全体研修会)をクリックし、そのホームページをご参照下さい。(編集部)
114号、校了しました。これであとは印刷、納品を待つのみです。いつも以上に円滑に進められました。下の写真は表紙。
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今回は西良先生のスライドでカラーでないとわかりにくいものを中カラー2ページに収めました。そのうちの1ページが下の写真です。
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右下が光っていて見にくいのですが、この右ページにも同様にカラースライドを掲載してあります。
西良先生のすぐれた研究成果をじっくりと味わってみてください。腰椎分離症に関する最新かつ高度な知識を得ることができます。仕上がりが楽しみです。(清家輝文)
今日は、編集長も福岡に出張ですし、月刊スポーツメディスンの第114号の入稿も予定よりも1日早く入稿が終わり、編集部はとっても静かな土曜日です。

第114号は本誌の創刊20周年記念号ですので、恒例の読者プレゼントを開催しています。
ご協力いただきました企業さんは、以下の皆様です。
快く、ご協力いただき、感謝、感謝です。ありがとうございました。

・伊藤超短波㈱
・(有)ラウンドフラット
・マクダビッドジャパン㈱
・㈱オンザフィールド
・㈱ザオバ
・㈱医道の日本社
・サンテプラス㈱
・㈱D&M
・㈱ライジング
・ジャパンライム㈱

 10社13アイテムのプレゼント商品につきましては、誌面では文字数の都合上、詳しく説明できなかった部分を、ブログ内で1点1点詳細を紹介していきます。

是非、この商品が欲しい! と思われた方は、114号に掲載されている応募方法のご覧のうえ、どしどしご応募お待ちしております。

(田口久美子)
カッ飛ばせ――ベイスターズ!

久米先生顔イラスト ブログ 先月の終わりに、プロ野球横浜ベイスターズ(以下ベイスターズ)の本拠地である横浜スタジアムに行ってきました。私が勤める大学のAT志望学生に「現場実習」を経験させるためです。

「現場実習」とは、日体協がAT養成課程を認定している学校、いわゆる課程認定校に対して必修と定めている科目のひとつで、これがクリアーされないとATの受験(正確には実技科目の受験ですが)ができないことになっています。

 この「現場実習」にはいくつかのカテゴリーが存在しますが、今回の実習はそのなかの「見学実習」にあたります。つまり、実際に現場で活躍しているトレーナーの活動を自分の目で確かめようというわけです。通常、私の大学では、このカテゴリーには3年生が参加します。1・2年生までは、未だATへの道を選ぶ以前に必要なスポーツ基礎科目の修得が主になります。したがって、見方を変えれば、この実習の希望者は真剣にATの道を考え始めた学生たち、ともいえるわけです。

 今回の実習を実施するに当たっては、ベイスターズのストレングス&コンディショニング・コーチである塚原賢治氏に大変お世話になりました。彼と私は同じ大学、同じ研究室の出身という間柄で、私にとっては、わがままな先輩の要求をいつも笑顔で聞き入れてくれる“良き”後輩なのです。でも、彼にとっては“しょうがねえなぁ”と苦みばしる先輩なのかもしれませんね。(笑)

 なにしろ、今回見学をさせてくれた場所は、実際選手が活動している球場内のトレーニングルームやトレーナー室、それにダッグアウトや外野、内野、ベンチと、球場内をほとんどです。それも、試合前にです。加えて、この実習は学生にも人気が高いので(昨年もやりました)、参加者数もちょっとした団体なみです。塚原君としては、球団事務所への説明や説得も半端ではなかったと思うわけです。塚原君、この場を借りて、心よりお礼を申し上げます。

23スポーツにカツ 001

 さて、今回は塚原君には講師の役目もお願いしました。テーマは彼の20年にも及ぶストレングス&コンディショニングとしての経験談とそれに裏打ちされたトレーナーとしての選手に対する接し方です。ちょっと余談ですが、当日ナイターの解説者でスタジアムに来ていた「ハマの大魔神」こと元大リーガーの佐々木主浩氏が、彼を見かけて「塚ちゃん!」と言って手を振って来ました(やっぱり、デカイ!)。それだけ見ても彼が選手に如何に親しまれていたかが想像できます。

 さて、肝心の講演内容ですが、ともかく選手と共に日々過すことでそこからトレーナーとして見えてくることがある、という極めてシンプル且つ重要なメッセージが基調に流れていたと思います。僭越ですが、私もトレーナー教育のベースに置いているのは“ともかくグラウンドに立て”です。でも、この日の彼の言葉には力がありました。学生にもそれが伝わったのでしょう。誰に促されることなく、講演後は沢山の質問を彼に投げかけて来ました。そんな光景を最後列から見ていた私の目は、この時、限りなく細くなっていたと思います。

 当のベイスターズは、なかなか思い通りのシーズンを送れていないように見えます。それでも、塚原君は毎日毎日選手と共にグラウンドに立ち、淡々と自らの仕事をこなし、ゲームに送り出しているのでしょう。

「かっ飛ばせーーベイスターズ!」そして「ガンバレ、ガンバレ、塚原君!」

参加学生からのエールを送ります。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
スポーツ選手によく見られる機能不全への物理療法アプローチというテーマのセミナー案内が届きましたので、以下に紹介します。


スポーツ選手によく見られる機能不全への物理療法アプローチ

日程/平成21年11月3日(祭日)

会場/オフィス東京(東京都中央区京橋1-6-8)

時間/12時30分~16時

内容/
足関節や膝関節の可動域制限など整形外科疾患の原因となる機能不全へのアプローチを実演形式で紹介。
本セミナーでは、実際に臨床の現場で活躍をされている理学療法士の先生をお招きし、スポーツ現場でよく使用される超音波療法や最新の電流療法を用いた臨床報告と共にアプローチ方法の解説をしていただきます。

講師/横浜市スポーツ医科学センター 理学療法士

受講料/5,000円

定員/先着40名 ※要予約

申し込み締切/10月30日まで

申し込み方法/電話、FAX、Eメールにて下記まで申し込む

問い合わせ/
伊藤超短波㈱  担当: 大澤、星野
TEL:03-3812-1216
FAX:03-3814-4587
E-mail:m-tokyo@itolator.co.jp
http://www.itolator.co.jp/ 
 
インカレ

 9月4~5日、国立競技場で全日本学生陸上競技対校選手権大会、通称全日本インカレが行われた。これは大学生だけが出場できる全国大会。大学生にとっては1年に1度の大イベント。このために1年間頑張って練習をしてきているから、これには気合が入る。

 大学生の大会は大学生が仕切る。スーツ姿の学生が働いていたり、おそろいのジャンバーを着た学生が入場口でIDカードのチェックをしてたりする。その中で競技場係りのIDカードをぶら下げたおじいちゃんたちがいる。おじいちゃんが孫の手伝いをしに来ている雰囲気。

アレコレ日記6 そしてインカレに応援はつきもの。

 出場できない選手や出番の終わった選手達が母校のユニフォームに身を包んだ仲間にあらん限りの声で声援を送る。声援だけのところもあれば文字通り歌って踊っての応援もある。某女子大は出場する選手に向かって「みんなの力をあげちゃ~~~う」と叫びながら両手を前に差し出す。ハートマークがたくさん手のひらに乗っかっているんじゃないかと思うほどかわいらしい。

 そんななか、ほとんどの大学がマッサージベッドを持参しトレーナーが活動をしている。大学生のなかには選手兼トレーナーもいる。専門学校でトレーナーの勉強中だったり、トレーナーとして働いているOBが手伝いに来ているところもある。そして、トレーナーを業としているいわゆるプロに来てもらっている大学もある。

 で、今回は私は久しぶりに行ったインカレで、私がトレーナーになった20数年前、同じように国立競技場で日本陸連トレーナーとして働いていた面々と、20数年後に同じように会った。彼等は20年前に陸連トレーナー部を立ち上げて運営してきた仲間。私は新人だったので後についていくだけだったけど、最初の数年間は毎月会合を開いて、組織作りやら大会運営やら何やらを熱く語っていたのを思い出しながら彼等の姿を眺めていた。ある意味感慨深い。

 その傍らでは某学校のAT科で勉強中の学生が研修中。選手のマッサージなどをしている。AT科の学生は学生と言いながらもあんまり若くないので、大学生から見ると「学生さんですか?」というくらい。ホテルに戻って選手のケア。狭いツインの部屋にマッサージベッドを2台。多いときは6人も研修に来ていた部屋は満杯。AT科の学生はすでに治療院などで働いている場合が多い。マッサージの仕方もそれぞれ治療院で「こうやって」と教えられた手順通りに進めているので、学生同士でもどんなことをやっているのか気になる様子。終わったあと、お互い聞きあったりマッサージしあったりしている。勉強になりましたか?

 さて、すでにアラサァーの彼等。20年後、こうして選手に関わっているかしら・・・?


津田清美・日本体育協会公認アスレティックトレーナー

なにくそ

早川徳次(とくじ)という人を知っていますか?

 非常に貧乏な家に生まれ、母親が病気にで亡くなり、2才半で養子に出されました。
行った先は貧乏だったけど、養母は愛情をたっぷり注いで育てました。
しかし5歳の時、その養母も亡くなってしまいました。

 次に来た継母が、なぜか早川少年を深く憎み、殴る蹴るは当たり前。
真冬に公衆便所の糞つぼの中に突き落として放置したことがあり、驚いて近所の人々が助け出したのですが、継母は子供を井戸まで 引きずって行き、厳寒の中、罵声とともに井戸の水を浴びせ続けたといいます。

 食事もしばしば与えられなかったそうで、これ以上の虐待があるのかというくらいの目に合って幼少時代をすごしたそうです。

 学校も、「勉強なんかさせてやらん。働け。」と言う訳で、小学校を2年で中退させられました。

 8才の時、この状況を見かねた近所の盲目の女性が、早川少年の手を引いて、かざり職の丁稚奉公に連れて行ってくれました。

 晩年に成っても早川徳次は、「この時の女性の手のぬくもりを、私は生涯忘れる事ができない。」と述懐しておられたと言います。

 そして19才の時に最初の特許、穴を開けないでベルトを締められるバックル、『徳尾錠』を考案(いまでもその方式が使われています。)

 早川徳次はこれで独立しました。

 22才の時に、シャープペンシルを考案。

 黒鉛の棒などを金属ではさむと、軽い力でも強固に固定できると言う現象を利用したもので、かざり職時代に勉強した金属の特性を利用した発明でした。

DSC_0027ブログ用 そしてシャープペンシルは日米で特許を取り、事業は軌道に乗りました。

 しかし30才の時、関東大震災に被災し、ほとんどすべての工場と営業所を失ってしまいました。
しかもその震災で最愛なる妻と2人の子どもが自らの目の前で死んでいった・・・。

 失意のどん底にいた早川にさらに追い打ちがかかります。
借金返済のため、シャープペンシルの特許権を日本文房具に取られてしまいました。

 さすがにこの時は、「何もかも、元に戻ってしまった。」と言って泣きに泣いたそうです。汽車から飛び降りて自殺しようかとも考えたそうですが、その汽車の中で「もう一度何かやってやろう!」という風に心を切り替えました。

 どうすればこんなに早く前向きな気持ちに転換できるのでしょう・・・。

 そしてすぐ翌年、早川金属工業研究所を設立。鉱石を使ったラジオ開発に、果敢な挑戦を開始しました。

 しかし社会は、壊滅した首都東京のダメージと有名な『震災手形』で、不況から恐慌へ、そして戦争へと向かっていました。

 経営は非常に苦しい状態が長く続いたようです。しかし早川徳次は、どれほど苦しい中でも貧しい人、不幸な人、身障者に対して、援助の手を差し伸べ続けたそうです。

 そしてその会社は“SHARP”となって世界中の人々に愛されています。

 小学校2年で中退し、勉強をしたくてもできない環境にいながら、前向きに自分の能力を高めたこと、幼少期に愛情を注がれなかったにも拘らず、社会を恨まずに、自分と同じような境遇を合わせることがあってはダメだと奉仕の精神を持ち続けたこと、幾多の困難に遭遇してもポジティブに行動されたことこそが、早川徳次の凄さであり、今の繁栄に繋がっているように思います。

早川徳次は、サインを求められると必ず、

 「なにくそ」

 と書いたと言います。

 「なにくそ」は、今の現状を他人のせいにするのでもなく、世の中のせいにするのでもなく、しっかりと受容して自分自身を奮い立たせる時の言葉だと思います。

 数年前に他界した私の祖父が、脳出血で左半身麻痺になり、一緒に歩行訓練していた時に「なにくそっ」といいながら一歩一歩足を出していたのを思い出します。

 つらいことは山ほどあります。でもその時に人のせいにせず、社会のせいにせず、「なにくそ精神」で乗り越えていこうと思います。

※シャープの経営理念は、シャープHPより引用しました。


ReCo代表 吉村直心
現在編集中の114号の特集は「腰椎分離症の研究-つくかつかないか、すべるかすべらないか-」と題し、徳島大学の西良浩一先生の研究成果をまとめます。

中カラーのページも使用、世界的に認められている優れた研究をまとめてお見せします。

現在、西良先生と校正のやりとりをしています。

この特集はおもしろいですよー。

お子さんが腰椎分離症と言われ、対応に苦慮されている保護者の方も多いと思いますが、ぜひ読んでいただきたい内容です。専門的な内容ですが、決して親御さんが読んでわからないということはないと思います。

お楽しみに! もう少しで終わります。頑張ります。(清家輝文)

ポールスターピラティス コンプリヘンシブ指導者養成コースのお知らせが届きましたので、紹介します。


ポールスターピラティス コンプリヘンシブ指導者養成コース

開催日/PF 2010年 1/23-24
      S/R1    2/13-14
      S/R2     3/6-7
      S/R3    4/3-4
      S/R4     5/22-23
      S/R5    6/26-27
      S/R6    7/24-25

時間/1日目 12:00~20:00、2日目 9:00~18:00

会場/(開催地の都道府県、市区町村)
    Pilates Lab代官山スタジオ(東京都渋谷区恵比寿西2-21-4 代官山パークス3F)

内容/Polestar Pilates(tm)の上級資格であるコンプリヘンシブコースのスタジオ・リハビリテーション資格が取得可能な国内唯一のコースです。

充実したマットエクササイズとエクイップメント(ピラティス専用器具)プログラム
からなる新コンプリヘンシブ(包括的)コースです。

講師/Polestar Pilates(tm)が高い技能と知識があると認めた海外のエデュケーター、もしくはエデュケーターの資格を持つ海外の理学療法士

受講料/798,000円(分割払いも可)

定員/21名(要予約)

申し込み・問い合わせ/ Pilates Lab 代官山
               TEL:03-6416-1600
               FAX:03-6416-1602
              E-mail:info-d@pilates-lab.com  
“体育教師”カツ“監督”カツ“AT”という人生

久米先生顔イラスト ブログ タイトルのモデルは私です。私は、最初一般教養科目の「体育」担当教員として大阪のある大学へ奉職しました。中学校の時から、他人に教えることが大好きだった私の念願の職でした。1980年のことです。今の大学生の皆さんには、“一般教養”という言葉自体馴染みが薄いと思いますが、当時の大学では、どこでも「一般教養科目」、つまり「人文科学」と「社会科学」、そして「自然科学」の3系列から必ず1科目と「外国語」と「体育」を履修することが決まっていました。つまり、どこの大学にも必ず体育教員を置くことになっていたのです。

 ところが、私が現在の大学に転任してから3年ほど経った1991年に、いわゆる「大学設置基準の大綱化」が決まりました。これによって、一般教養科目に含まれていた科目は必ずしも必修にする必要がなくなりました。私の大学にも、もちろん大綱化の波は押し寄せてきました。どんな波が押し寄せてきたかというと、それまであった“体育”とか“スポーツ”と名のつく科目はすべてなくなり、すべて“レクリエーション”という科目に変わったのです。大学の方針ということで、やむなく受け入れる形になりました。しかし、これがきっかけになって、私は「レクリエーション」分野の中心テーマである「クラブの組織の運営」に深く分け入ることになりました。

 当時の私は、部活動の監督もしていました。若さもあってか、選手たちとは毎日体当たりの指導を繰り返していました。酒も選手とよく飲みました。ことあるごとに自宅に呼んだものです。休日になると若い男女がひっきりなしにやってきて夜遅くまでワイワイやっている我が家は、ご近所にとってはさぞかし迷惑な家だったでしょう。私は、日頃の猛練習の息抜きの場を選手たちに与えたつもりでしたが、選手にしてみれば絶好の栄養補給(?)の場だったと思います。こんなことが何年も続きました。御蔭で当時の卒業生は、今でも“子供”を連れて我が家に遊びに来ます。

原稿FD 003 ATに関わるきっかけは、やはり大学の方針でした。「今度、(この大学に)健康関係の学科ができるって、久米さんは聞いてる?」ある日、校内で立ち話をしていた教員からこんな話が出ました。そして、直にトレーナー関係の学科・コースが出来、あっという間にたくさんの受験生を迎える人気コースになりました。同時に、カリキュラムの中に“体育”、“スポーツ”が復権しました。“スポーツ社会学”,“スポーツ心理学”、“保健体育概論”、“体育科教育法”etc、etc。当然、スポーツ関係の先生方も増えました。

 こうして、私の教員生活30年は過ぎました。体育ありレクリエーションあり、部活動の監督ありATあり。どれも、その時々の時代要請に沿って演じたものばかりです。しかも、私の中では現在もみんな並列して同時進行しています。いろいろな顔が自分の中にあることについては、ひとつの物事を多角的に見る、という点で有利だと考えています。

 たとえば、ATの顔を持ったことで、選手のサポート体制作りについては事細かに指示するようになりました。しかし、選手に自主的な行動力を要求する場合は、監督の顔になります。選手がチームのルールを破れば、教師の顔になります。周辺地域とのスポーツ連携を考えているときはレクリエーション・リーダーの顔になります。

 「複数の顔を持つ」ということは、その時々のTPOに合わせて顔が作れるということではありません。客観的に自分を見つめる顔を複数持つことだ、と私は常に自分に言い聞かせています。
 
久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
  
 
9月は大型連休だそうです…。19~23日まで5日間。多くの人は「どこに行こうか」とか「久しぶりにあれをするか」という楽しい計画を練ることになるのでしょうが、われわれは、「5日間入稿が早まる!」と考えます(悲しいネ)。

いつもより5日間入稿が早まるというのは、月刊誌ではたいへん大きな影響があります。ただ、8月は休刊月だったので、8月中に取材を済ませ、なんとか対応しようとすればできるということになります。

で、お盆の時期に徳島大学の西良浩一先生に「腰椎分離症」について詳しく聞いてきました。西良先生は英文で100以上のペーパーを出されています。そのすごさとおもしろさはこの特集でよくわかっていただけるのではないかと思っています。

今日、その特集原稿をまとめました。2万字以上になります。それを先生に見ていただき、図とともに構成し、誌面になります。

「すごくおもしろい」と思います。楽しみにしていてくださいネ。(清家輝文)
日本コアコンディショニング協会より、下記のセミナーの案内が届きましたので、以下に紹介します。


コアコンディショニングトレーナーのためのスペシャリスト養成セミナー
■キッズコアコンディショニング――子どもの未来を創るコンディショニング


会期/11月22日(日)・23日(月・祝) 2日間

会場/TFTビル(東京有明)

時間/9:30~16:30

内容/「人の成長に飛び級はない!」
人には生まれてからひとりで立つまでの間に、
獲得しなくてはいけないたくさんの要素があります。
最近ではその要素が抜け落ちたまま成長をしている
子どもたちが増え、「落ち着きがない」「姿勢が悪い」
などの影響となってい現れています。
このセミナーでは0歳~1歳までの発育発達の解説と、
基本となるエクササイズについてお伝えし、
本来あるべき成長の過程を理解していただきます。

講師/露木俊治(JCCAマスタートレーナー)

受講料/31,500円(JCCA会員)
      37,800円(一般) 


コアコンディショニングについてより理解を深めていただくための
ステップアップセミナーシリーズ~名古屋~
■骨盤・胸郭コンディショニング

会期/12月5日(土) 

内容/身体をブロック評価する新姿勢評価法と骨盤・胸郭へのアプローチを学びます。

講師/浦上大輔(JCCA理事)

■コアスタビライゼーション

会期/12月6日(日)

内容/姿勢保持や安定性のシステムを学び、クライアントに気づきがもてる指導のヒントを習得します。

講師/石井完厚(JCCAマスタートレーナー)

受講料/13,650円(JCCA会員)
      18,900円(一般) 

会場/IMYビル(名古屋市東区)

時間/9:30~16:30

上記セミナーの申し込み・問い合わせ/
日本コアコンディショニング協会 
TEL.052-324-5128
E-mail: toiawase@jcca-net.com
スポーツ栄養セミナーが下記の要領で開催されます。ご案内が届きましたので、紹介します。


第15回スポーツ栄養学セミナー

会期/11月23日(月・祝)

時間/午後1時~5時、懇親会午後5時30分~7時30分

会場/東京農業大学

内容/
特別講演「宇宙環境下における身体の変化と栄養サポート」
立花正一(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)

「勝利のための心理的コンディショニングと食事」
石井源信(東京工業大学)

パネルディスカッション「食事部門のコーチとしてラグビー選手に関わって
――その他の顔を持つフリーランサーとして」
菊池嘉代子(管理栄養士、健康運動指導士)

「SNA活動報告」新井優子、小久保友貴

参加費/セミナー1,000円、懇親会費2,000円

申し込みについて/事前申し込み不要

問い合わせ/東京農業大学栄養科学科 公衆栄養学研究室セミナー事務局
         担当:小久保
         TEL&FAX.03-5477-2453
         E-mail:sna@nodai.ac.jp
京都セミナー開催予定がNPO法人健康医科学協会より届きましたので、以下に紹介します。


■9月京都スモールセミナー

会期/9月13日(日)

時間/10時~16時 (午前:第五会議室 午後:和室)

場所/京都五条 ひとまち交流館

内容/「ソフトギムニクボールを使って」~運動指導のための引き出しを増やしませんか~  
     エクササイズボールとギムニクボールを使って
      
スケジュール/9時半より受付
         10時~11時半 ソフトギムニクを使った高齢者のための運動指導の現状
                  講師:石井 千恵
         11時半~13時 昼食(各自御用意ください)
         13時 ~15時 ソフトギムニクを使って(実技)
                    講師:実技実習担当官 芝崎・道端
                   ~筋トレ・リラクゼーションでの使用方法~
                    (準備運動、有酸素、筋トレ、リラクゼーション等)
         15時~     質疑応答

                 今後のセミナーの案内
                     ・ 乳がん患者に対する運動指導者認定について
                     ・ ボールエクササイズプラクティショナー認定について
                     ・台湾セミナーについての御報告
                       (実技実習担当官(芝崎・道端)
                       ※会員単位取得4単位

会費/会員4000円、一般4500円(当日払い)

■11月京都プチプチセミナー

会期/11月15日(日)

時間/9時半~11時40分

場所/ 京都五条 ひとまち交流館

内容 /「メタボ対策!第二弾。やってみよう!筋トレも!」

スケジュール/9時15分~受付
          9時30分~11時40分「メタボ対策!やってみよう!筋トレも!」
           講義+実技~(前回のおさらいも兼ねる)
           講師:芝崎・道端  
          エクササイズボールとソフトギムニクを使った筋トレを御紹介いたします。
メタボ解消の為にお家でも筋トレを続けてみましょう。
          ※会員単位取得1.5単位

★ 当日参加者にはもれなく当法人オリジナルDVD ウェルネス体操と解説書をプレゼント!

会費/会員1500円、一般2000円(当日払い)


申し込み方法/9月セミナー、11月セミナーともに、下記まで申し込み書を請求すること

問い合わせ/健康医科学協会事務局
         TEL: 0466-50-4575
8月のお盆に「もも家」さんに行ったとき出していただいたのが、この「スポンジーフライ」。「中は何かわかります?」と聞かれたが、誰もわからなかった。でも、おいしい。中身はあとでわかります。

イルカに乗った少年 (文・料理/大仁浩子・もも家店主)

イルカ 三宮の古いバー。「イルカに乗った少年」の曲が流れていた。

♪~There’s a tale that they tell of a dolphin and a boy made of gold~♪

―それは、イルカと少年が黄金で造られていた、という物語なのよ―と、ジュリー・ロンドンが歌っていた。

「この曲は、たしか映画のテーマソングでしたね」と、カウンターの奥に声をかけた。店と共に老いたマスターが麻布でグラスを拭く手をとめて「その映画は“島の女”。海綿採りの海女がイルカに乗った少年の黄金像を発見するという話。海女の役がソフィア・ローレン。あぁ、全く。その時の水に濡れた彼女のボディの美しさといったら……」とため息をついた。

「海綿は海草ではなく、脊椎動物の一種。そして、あの網目状の海綿質繊維がスポンジになるんだ。海綿は英語でsponge。海からの贈り物だよ」と教えてくれたのが、隣の椅子に坐っていた、シュウだった。

 静かにシュウは話し続けた。海に射す光と色について。花より美しい魚類の美しさについて。白い海底に刻まれる波の砂紋について。

 夏になって、ウナギの話を聞いた。ウナギは遠く離れた南の海、フィリピン沖のマリアナ海溝の深海で生まれるという。稚魚はレプトケファレス。透明で柳の葉の形をしている。泳げない。波にまかせて1年、日本に辿り着く。孤独な3千kmのウナギの旅について。なぜ、旅をするかについて。

 秋が来ていた。シュウは、魚の脳と神経について、研究していると言った。魚はどのように痛みを感じているか、とか、そんなこと。すばらしく専門的だった。「それをまとめる時期にきているんだ」と言った。「一緒に行けるといいんだけれど……」とも。

 けれど私は尋ねなかった。「何処へ?」と。

 それから3回、秋が来た。そして、そのバーで再び、あのジュリー・ロンドンのイルカに乗った少年の歌を聞いた。マスターがソフィア・ローレンは僕のミューズだったとうっとりして言った。いつものようにグラスを拭きながら。「そうだ、イルカのショーを見に行きませんか」。突然、声をかけてきたのが、ケンタだった。「イルカは可愛いよ。ハイジャンプ、ハイタッチ。遊び好きでかなりの芸達者らしい。きっとハマるよ」。

 そうして、しばらくして、私はケンタと暮らしはじめた。話は簡単だった。ケンタは魚の仕組みより、食べ方を愛していたから。

「オレの一番の好物は鯖の味噌煮。それから鯖寿司。バースデイには、それにローソクを立てて欲しいよ。山陰のイカや松葉ガニもウマイよなあ。よし、今度は日本海の漁港巡りだ」。ケンタの頭のなかにはもう日本海の刺身が並んでいるようだった。

 それから……息子が生まれた。ケンタにそっくりの。水族館の大水槽のガラスに小さな額をくっつけて飽きずに魚を追っている。

「パパァ、オチャチミ、オチャカナ」と指差して言う。「その魚は刺身では食えないなあ。サメは無理だろう」。二人の前を目を半眼にした灰色のサメが泳いでいった。二人は目を合わせて可笑しそうに笑った。

 なぜかシュウと水族館に行ったことがない。シュウに会うのは深い海の底のような、そのバー。古いレコードが回り、夢の中で夢を見ているように、魚の話を聞いた。

 もし、あの時、と時々考えてみる。シュウと一緒に行っていたなら、と。そうすれば、今でもずっと海の底でおきる不思議な話をして暮らしているだろうか。

 月も星も寝静まった深い夜。電気を消した暗い湯船にそっと潜るのが好き。そして、海綿で石ケンの泡をたっぷりつくることも。その時、「イルカに乗った少年」のメロディーを低く口ずさむことも。それは全部、シュウが私に残していったこと。

*神戸市立須磨海浜水族園:JR神戸線、須磨海浜公園駅下車。南へ徒歩5分。たくさんの魚とイルカ達の素敵なショーがむかえてくれる。園を抜けると、すぐに須磨の砂浜が広がる。



「もも家」のフードレシピ

■スポンジー(spongy)フライ 

写真1 ある日、店に予約がありました。
 ベジタリアンのフランス人と一緒に食事に行きますので、よろしく、と。

 その時の豆腐料理のメニューのひとつが、この高野豆腐を揚げたもの。

 一口食べた、そのフランス人が、「Spongy!(海綿のよう!)」と叫んだのが、この料理の名前。

 不思議な食感をどうぞ。(イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)



jumee☆recipe1Ljumee☆recipe1R 材料(2人分)
・乾燥高野豆腐  3個
・つけ合わせの夏野菜(適量で)
  トウモロコシ、トマト、オクラ、キャベツ。
  つけ合わせの秋の果物、ナシ1個(半分はソースに使います)。
・豚ロース。しょうが焼用、大きめのもの6枚
・フライの衣。市販の空揚げ粉、小麦粉、片栗粉

jumee☆cooking1Ljumee☆cooking1R  作り方
写真2 乾燥された高野豆腐は加工技術が進み、とても簡単に料理できるようになりました。

 以下の手順で失敗なく、おいしく調理できます。今回は、旭松というメーカーのものを使いました。

①直径20cmくらいの底が平らな鍋を用意。
濃いカツオだし、500cc(21/2カップ)を作り、砂糖・大3、薄口醤油・大1、塩・小1/2を入れ、沸騰させます。そのなかに高野豆腐を入れ、煮汁を入れると、すぐに戻りますので、天地をひっくり返し、軽い落とし蓋(アルミ箔でも可)をして10分煮ます。冷めたら、取り出して、半分に切り、しっとりと煮汁を含んでいるくらい絞ります。写真3
②豚ロース、しょうが焼用は筋切りして、軽く塩こしょう。

③①の高野豆腐に、②の肉を巻きつけます。巻き終わりは手で押さえてなじませます。

④③の衣は2種類作ります。それに合わせてソースも2種類で。お好みでお召し上がり下さい。



その1:ナシのソース写真4
ナシ半個をすりおろし、ニンニクのおろしたもの小1/2を加え、濃口醤油70ccを入れて、塩、こしょうで味をととのえます。この時衣は、薄力粉、片栗粉を1:1に合わせて、まんべんなくまぶして、油で揚げます。

その2:市販のトンカツソースで市販のトンカツソースにケチャップ少々を混ぜてソースを作ります。味はお好みで。この時衣は、薄力粉、片栗粉、市販の空揚粉を1:1:1に合わせて使います。揚げ油は中温よりやや高めくらいで。

⑤つけ合わせの野菜を作ります。
トウモロコシは皮1枚を残して、皮をむき、塩を少々入れ、茹でます。約15分。茹で上がったら、皮つきのまま、さまします。皮があるので、しっとり状態が続きます。輪切りにカットします。
オクラは、軸の部分が固いので、細く削ぎとり、塩もみして、熱湯でさっと茹でます。
トマトは、くし形にカット。写真5キャベツ(2~3枚)はなるべく細く千切りし、水に放ってパリッとさせます。ザルにあげて水切り。ソースに使った残りのナシをサイコロ状に5mm角に切り、塩・小1、砂糖・小1、酢・小2で下味をつけキャベツと合わせてなじませておきます。

⑥お皿につけ合わせの野菜をたっぷり盛り、2種類の好みのソースを添えます。盛り付ける時、スポンジーフライにはかくし包丁を入れて、食べやすくしておきます。もちろん、ベジタリアンの方には、スポンジーフライだけにしておき、お肉は巻きつけませんでした。材料の種あかしをしなければ、何のフライか、わからないようです。高野豆腐は良質の大豆たんぱくで安価。ぜひ、おためし下さいますよう。


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