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         スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.210(2019年5・6月合併号)←詳細&購入はここ!
210表紙
『特集 セラピストの手の使い方」
── 治療技術の向上のために
 
1.「肩関節疾患を診るうえでのセラピストの手の使い方」
勝木秀治・関東労災病院 中央リハビリテーション部理学療法士、専門理学療法士(運動器)東海大学医学部 基礎医学系生体構造機能学領域
 
2.「体幹、下肢のスポーツ障害への運動療法で大事なセラピストの手の使い方」
園部俊晴・コンディショニング・ラボ(インソールとからだコンディショニング専門院)
理学療法士、運動と医学の出版社代表取締役社長

3.「臨床動作促通法の紹介」──正しい動作に誘導するために
鈴木俊明・関西医療大学大学院 保健医療学研究科
 

秋、10月のフードレシピは、新米の美味しさとともに味わういなりずし。関西では「おいなりさん」と呼びます。素朴ながら忘れ難い味わいの「お祖母さんのおいなりさん」です。

お祖母さんのおいなりさん(文・料理/大仁浩子・もも家店主)

イラスト06「このお席、空いてますか」。

 どうぞ。空いてますよ。人さんによっては、一番前の齧り付きは舞台と近こうて見にくい、言わはりますけど、あんさんはどないですか。私(うち)は、この席が一等好きですねん。幕間(まくあい)のこん時に、お弁当をチョイト食べて。こんから(これから)座長口上と歌謡ショー。ほれ、さっきの芝居の男衆(おとこし)さんも女形(おやま)にならはって、これからうちらの目ェの前で踊りはりますねん。

「よくこられるのですか」ってか? そやなぁ、贔屓の芝居は毎日。若い時分から、これだけが楽しみで。

 うちは、瀬戸内のこんまい(小さい)島で生まれましてなぁ。稲刈りすんで、ミカンもぎが忙しなる前に波止(はと)の近くに、島回りの芝居が来ましたんや。チヨちゃんと、あぁ、チヨちゃんいうのんは、うちの幼馴染ですけどな、親から5銭貰ろて、二人してよう見に行きましたんや。チヨちゃんは木戸銭、いらしまへん。チヨちゃんのお祖母さんは、お針の達つ(たつ)人で、芝居が来ると、役者はんの着物縫うたり、洗い張りしたり、忙しいにしとってやって。チヨちゃんは、それを楽屋口に届けに行って、芝居、見せて貰いますねん。芝居はよろしなぁ。大けな男さんがトンボ切ったり、簪(かんざし)揺らして、花吹雪散らして舞わはったり。

 チヨちゃんが、きれいやなぁ、きれいやなぁ、わたいらも、一遍あんなん着ィてみたいなぁ、言うてました。筋なんか、ちょっとも解らしまへんでしたけど、なんやドキドキーして、毎日行きましてん。そのうち親が、芝居は大人の見るもんや、ええかげんにし、言うて、5銭くれはらしまへん。チヨちゃんが木戸番さんに頼んで裏から入れて貰いましてん。ほんなら、幕引きさんが、「あんじょう坐って、おとなしいにしとくんやで」言うて、幕の蔭で見せてもろて。鬢付け(びんつけ)油や水白粉の匂いがしてましたなぁ。ほんでェ、最前まで駕籠舁き(かごかき)しとったお兄ィさんが、鬘(かつら)つけて赤い着物の女子(おなご)はんになって、うちらの傍(はた)を抜けて舞台に出はりますのや。

「きれいやなぁ、きれいやなぁ」、チヨちゃんは、うわ言のようのように言うてましてん。

 十日もたったら芝居小屋は無う(のう)なって、朝一番の船で次の島へ渡ったように思うんやけど、ちごたかいなぁ。小屋が無うなって、波止はいつもんように、行き場のない波が、ポチャンポチャンと寄しては返して。子供心に淋しい気ィになりましたなぁ。

 そやそや。その日は、もっとビックリしたことがありましたんや。チヨちゃんがおらんようになってしもて。煙草屋のおばさんは、「チヨの父親は酒代欲しさに娘を預けたんや」とか、お母ちゃんは「チヨちゃんのお祖母さんは、ランプの煤で目が曇る、言うてなさったし、患ろうて針が持てんようになったらチヨが不憫や」と、たいがいな心配のようやった。よほどの理由(わけ)があったんやとも言うてました。

 そやけど、うちは、違う、て思いましてん。チヨちゃんは自分で頼んでついて行ったんや、て。チヨちゃんは踊りが好きやってんよ。ある日、チヨちゃんの家にいきましたらな、役者はんの金糸刺繍の赤い着物が衣桁にかけてありましてん。チヨちゃんは、こっそり、それ着て、「こんなん着ると、うちはお姫さんや。ずーっとこんまんま、お姫さんでおりたいなぁ」、そう言うて、人形さんみたいな目ェして、いつまでもクルクル舞うてましたんや。そやから、うちは今でも芝居見に来たら、楽屋口の方、のぞいてみますねん。ひょっとしてチヨちゃんおらんかいな、と思てなぁ……。

 いやぁ、すんませんなぁ。お婆さんの昔話、聞かせてしもて。そやそや、うちの作ったおいなりさん、どうやろ。味みてくれはる。チヨちゃんのお祖母さんは、芝居に行く、言うたら、おいなりさんこさえてくれはって。ほれ、瀬戸内はチリメンジャコがとれますやろ。そやから、お祖母さんのおいなりさんにはジャコが入ってましてな……。

*新開地劇場:昭和30年代、神戸・新開地は、大衆演劇、映画館がひしめきあう神戸の一大娯楽地。華やかな往時の大衆演劇を、今もこの劇場は伝えています。
神戸市兵庫区新開地5丁目2-3 JR神戸駅下車、北西へ徒歩8分。



「もも家」のフードレシピ
■おいなりさん 

イラスト05 秋の豊穣を寿ぐ、おいなりさん、です。
 新米に、きのこ、それにチリメンジャコを加えて、ふっくら煮含めたお揚げさんに包んだ、お祖母さんのおいなりさん。

 新米の美味しい秋に、ぜひ一度、お作り下さい。(イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)


jumee☆recipe1Ljumee☆recipe1R 材料
・米(新米)  3合
・人参 中1本 100g
・生しいたけ  60~100g
・黒あわび茸  60g
・チリメンジャコ 50g(これを空煎りするためのゴマ油小1/2)
・四角形の薄揚げ(1枚50gくらいのもの)8枚(おいなりさん16個分)

○合わせ酢(下記をあわせておきます)
砂糖 50g
塩  小1/2
酢  60~70cc(丸みのあるやさしい味わいなので、京都の村山造酢の千鳥酢を使いました)


jumee☆cooking1Ljumee☆cooking1R 作り方
イラスト01①ご飯となじみがよいように、人参は3ミリ角、生しいたけは5ミリ角に切ります。
歯ざわりがアワビに似るあわび茸は、大きく4つ切にします。
鍋に200ccの水、麺つゆ大2、砂糖大1、塩小1を入れ、AとBの材料を入れ、煮ておきます。
チリメンジャコは、空鍋にゴマ油を1~2滴入れ、1~2分空煎りして、魚の生臭さをとっておきます。

②新米3合は、いつもの水加減より少し控えて(あれば5センチ角の出汁昆布を入れ)炊いておきます。

③A.上記の合わせ酢のうち、手水用に大1を別皿にとり、残りの合わせ酢に空煎りのジャコを入れ、少しなじませてから、炊きたてのご飯を合わせ酢飯を作ります。イラスト02

B.②で作った具材の汁気を絞り、酢飯と合わせます。これで“お揚げ”に詰める五目酢が出来上がり。

④おいなりさんのお揚げの準備をします。
A.新聞紙5~6枚の上にキッチンペーパーを敷き、お揚げを並べ、その上からもう1枚、キッチンペーパーをのせ、お揚げをペーパーでサンドイッチ状にします。
その上から、空びんを前後、左右に転がして、余分な油を下のペーパーや新聞に移します。これは、お手軽、もも家流の油抜き法です。

イラスト03B.それを半分に切り、切り口からそっと袋状にはがします。破れないよう慎重に、ね。

C.お鍋に600ccのカツオだし、薄口醤油50cc、砂糖50gを合わせて入れ、Bのお揚げを並べて入れ、軽いおとし蓋かアルミ箔をのせ、中火で5~6分煮て、火を止め、そのまま冷めるまでおいて、味をしみこませます。

⑤準備ができたら、酢飯をお揚げに詰めましょう。

A.③-Aで取りおいていた酢で手をぬらしてから、③-Bの酢飯を16個のおにぎりにします。あまり、固くおにぎりにしないよう、ふんわりと、ね。

もも屋レシピ

B.お揚げの口を外側に半分折り、おにぎりを入れ、元にもどし、イラストのように包み込みます。

⑤素朴な味わいのお祖母さんのおいなりさん。これで出来上がり。


編集部より:大仁さんのフードレシピについては、このサイトで多数見ることができます。また、この記事の著作権は大仁浩子さんに帰属し、イラストの著作権は横江節子さんに帰属します。著作権の侵害にご注意ください。

〔もも家〕
TEL:078-391-2466
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-7-20 前川ビル2F
(三宮駅の北、徒歩5分)
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次号の特集は、機能解剖からみた有効・無効なエクササイズというような内容になります。

中部学院大学・林先生、京都大学・建内先生、東京医科歯科大学・八木先生に取材しました。

相当面白い。

ご期待ください。(清家輝文)

今日、「もも家」のフードレシピをアップします。今、作成中。
先月9月のアクセス総数は7148、ユニークアクセスは4170(うち初回訪問は1951)でした。

シルバーウィークと呼ばれる5連休中はさすがにアクセスは少なかったのですが、全体としては、総数7000以上、ユニーク4000以上でした。ありがとうございます。

1日平均238。海外からは、アメリカ、スイス、台湾、オーストラリア、ブラジル、フランス、ニュージーランドなどでした。

希望としてはあともう少し。ま、面白い、役に立つコンテンツにしていきましょう。今後ともよろしくお願いします。(清家輝文)