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         スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.214(2019年10月号)←詳細&購入はここ!
SQ214表紙画像サイズ
『特集 ファンクションを見る眼」
1.「「ファンクションを見る眼」を語る」
川野哲英・FTEX Institute 代表、はちすばクリニック副院長
 
2.「ファンクショナル・テーピングの考え方と、実施に際しての機能評価、実際の方法の概要」
小林寛和・日本福祉大学 健康科学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻

3.「機能的足底板(Functional Orthotics Insole:FOI)」
原田昭彦・一般財団法人弘潤会 野崎東病院 アスレティックリハビリテーションセンター リハビリテーション部課長、PT、JSPO-AT

4.「ファンクショナル・エクササイズの基本的な考え方、運動・関節運動の捉え方」
川口浩太郎・PT、PhD、JSPO-AT、兵庫医療大学リハビリテーション学部 FTEX Institute FEXリーダーズ・ユニット


編集者って何をしている人なのか、ピンと来ないのが一般的かもしれません。雑誌の場合、と言っても、その雑誌雑誌でまた違うところもあります。

たとえば、大手だと、記者、カメラマンなどと取材に同行し、どういう記事にするかを考え、記者やカメラマンと相談し、出来上がってきた原稿と写真を組んで、デザイナーに「こういう感じで」と伝え、あがってきたレイアウトを検討し、校正はその専門の人にやってもらい、いろいろ連絡をとって完成させるということになるのだと思います。もちろん、これにもいろいろなやり方があるでしょうが。

うちのような小さなところでは、自分で企画をたて、取材し、写真も撮り、原稿を書き、図や写真を「こんな感じで」とデザイナーに渡し、出来上がったページを校正し、取材した人にも送って確認し、すべてが終わったら、印刷所に入稿(原稿を入れる)、翌日か、翌々日、黒焼きといって、入稿したデータどおりになっているか確認し(カラーページの場合は色校(いろこう)と言って、色味の確認をする)、その段階で、修正が出れば、再度修正したデータを入れ直します。OKとなれば、校了です。

印刷、製本は原則として、印刷所(および製本屋さん)にお任せですが、印刷所に出かけ印刷の具合を確認することもあります(弊誌ではまずそれはありませんが)。

この流れは、いつも順調というわけではなく、むしろ順調でないことのほうが多い。確認の連続とそこで生じるトラブルをどう解決していくかが、編集かもしれません。

そんなことを30年以上続けてきたんだなと思いますが、けっこう好きですね。そうじゃないとできないかもしれません。現在次号の企画を練っている最中。これが楽しい。次号もお楽しみに。(清家輝文)
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今月出る116号の特集は「もっと使える物理療法」と題し、スポーツ現場、医療現場、家庭で活用できる物理療法について詳細に紹介します。「物理療法?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、欧米では広く活用されています。

もちろん、日本でも古くから用いられていて、伊藤超短波という物理療法機器では日本でもっとも歴史のある会社のロビーには、いろいろな機器が展示されています。そのうち、現物ではありませんが、珍しい写真もあります。
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これは、書いてあるとおり、平賀源内による「エレキテル」という治療器。てんかんの治療に用いられたとか。安永5年というと、1776年になります。200年以上前のことですね。

下の写真は、佐久間象山が作った日本最初の低周波治療器。これは安政5年(1858年)頃のものだそうです。
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こうした歴史にも触れ、もちろん最先端も紹介します。お楽しみに!(清家輝文)
九つ負けて、ひとつカツ

久米先生顔イラスト ブログ
 11月も半ばを過ぎました。この時期は、特にボールゲーム競技では今シーズンの総括が行われているのではないでしょうか。いよいよ決勝戦、と胸をわくわくさせているチームもあるでしょうね。逆に、今シーズンは入れ替え戦だぁ、とまだまだ気の抜けない状況にあるチームもあるでしょう。いずれにしても、負けられない一戦が迫ってくるのが、この11月後半から12月前半にかけてなのです。

 負けられない一戦と書きましたが、逆に負けても良い一戦というのは果たして存在するのでしょうか。トーナメント戦であれば、こんな悠長なことは言っていられません。負ければシーズンが終わりですからね。では、リーグ戦の場合はどうでしょうか。確かに、一敗しても優勝のチャンスが残ることもあり得ます。しかし、だからと言って「今日は負けてもいいよ」と試合に臨むコーチや選手はいないでしょう。

 ところが、ビジネスの世界で「負けても良い」と言っている人がいます。(株)ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正氏です。カジュアルウエアの小売店「ユニクロ」の創業者と言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。

スポーツカツ33 001 彼は自著「一勝九敗」(新潮文庫)のなかで、「当社のある程度の成功も、一直線に、それも短期間に成功したように思っている人が多いのだが、実態はたぶん一勝九敗程度である」と書いています。現在のユニクロ成功、成長を見れば、たいての人は全部勝ってきたのだろうと考えそうですが、柳井氏は「多くは失敗」と言っています。

 実際、本書には、彼のたくさんの失敗例が書かれているのです。会社を大きくしては失敗、海外に進出しては失敗、新しい業種に参入しては失敗等々です。こんな経験から彼はこう続けます。「…失敗するのであれば、できるだけ早く失敗する方が良いと思う。早く気づいて、失敗したということをひとつひとつ実感する、そこが一番大切」。ファーストリテイリングとは、早い(ファースト)小売(リテイル)からきているそうです。つまり、いかに早く顧客のニーズを汲取り、売るかがこの商売のすべてだと、彼は言います。彼の経営理念の中心には「スピードこそ商売や経営に欠くべからざる大事な要素」という哲学が貫かれているのです。“失敗”にもスピードを求めているわけです。

 柳井氏と同様に、スポーツの世界でも「失敗は早い時期の方が良い」と言います。大事なゲームで失敗されて、それで負けるようなことがあっては困るからです。では、いつ“失敗した”という実感を与えるのが良いでしょうか。前述したように、「負けて良い、失敗して良い」ゲームは、私は無いと思います。結果として失敗した時が、指導のタイミングなのでしょう。問題は、どのようにこの失敗を実感させるかです。本人が分かっていれば一番良いのですが、そうでない場合、つまり本人は失敗したとは思っていない場合が一番厄介です。あなたが監督だったら、どのように指導しますか?

 私は、指導する際の“言葉”、特に“褒める言葉”と“叱る言葉”に気を使います。その使い方を“食べ物”に例えると、「褒める言葉は、ナマ物、叱る言葉は煮物」とこんな風です。つまり、選手を褒めるときは、できるだけ早く褒めなさい。褒め言葉は鮮度が命。逆に、叱るときはじっくり自分の中で言葉を煮込んで(吟味して)叱りなさい。そうすると、相手には味がじっくりしみ込んだ言葉が届くよ、とこんな具合です。

 失敗経験は、確かに早い方が良いかもしれません。しかしその指導には、じっくり時間をかけるべきだと思います。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)