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月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.215(2019年11月号)←詳細&購入はここ!
SQ215表紙
『特集 足関節捻挫後遺症の課題を整理する」
1.「慢性足関節不安定症に対する治療の現状と課題」
小林 匠・北海道千歳リハビリテーション大学 健康科学部
リハビリテーション学科 理学療法士
 
2.「足関節捻挫が関節機能に及ぼす影響と課題」
越野裕太・理学療法士、博士(保健科学)、NTT 東日本札幌病院リハビリテーションセンター

3.「足関節捻挫がスポーツパフォーマンスに及ぼす影響と課題」
峯田晋史郎・大阪体育大学 スポーツ医科学研究室、日本学術振興会 特別研究員PD

4.「足関節捻挫における後遺症が将来的な健康に及ぼす影響と課題」
寺田昌史・立命館大学スポーツ健康科学部 講師

変化にカツ

久米先生顔イラスト ブログ 今年ものっけから日本の政治は大変そうです。政権の中枢を担う大臣の辞任ですからね。スポーツで言えば、大切なゲームを目前にして中心メンバーが入院ってことです。こりゃ、チーム全員真っ青になりますよ。監督自身も今は“えっ!?”って感じでしょうが、よくよく考えてみると、ジワリと事の重大性が身にしみてきそうです。

 この“チーム”では交代メンバーはすぐに発表されましたが、それは相手チームへのけん制でもあるわけですね。「ウチには交代できるメンバーがウジャウジャいるよ」ってね。

 問題は、むしろチーム内にあるような気がします。実力は一緒だ、と監督が太鼓判を押しても、同じピッチに立った経験があまりないと、本番でパスのタイミングが合うかなど微妙な問題が残ります。“あうん”の呼吸って言うのは、特にスピードを要するプレーのときには大切なものですから。

 まぁしかし、こういった場合はチームのピンチは今始まったことじゃないと肚をくくることが大切じゃないでしょうか。ピンチは、ある意味変化です。それもマイナスの変化ですが、これをどう捉えるかが監督の腕の見せどころのような気がします。

スポーツカツ39 001 「変化の原理」(P.ワツラウィックら、りぷらりあ選書/法政大学出版)という本があります。この本では主に“持続と変化”の問題がテーマです。

 著者は、先ず「即ち持続や不変性を『自然』か、もしくは『自発的』な状態と見て、説明が必要ないものとして変化を説明するか、あるいは変化を『自然』とみて持続の説明をするか」を問題にしています。上述の“チーム”で言えば、変化に強いのか、弱いのかということです。そして、続けて「問題(解決方法)は、事物の固有性や絶対性ではなく、そこに含まれる(本人の)見方や特殊性」にあるのだと言います。つまり、問題がうまく解決するかどうかは、本人次第というわけです。

 ところで、本書にはこの問題解決方法のひとつとして「跳躍連想」なるものが紹介されています。「A.ケストラーは跳躍連想という考え方を導入した。(中略)ある心理的出来事が相矛盾する二つの概念マトリックスと突然、跳躍連想すると、思想連鎖がある連合文脈から他の連合文脈へ突然移行する」というのです。つまり、“突飛でもないアイディア”のことです。“火事場の馬鹿力”のような信じられない力が、人間の精神面にもあるのですね。ただし、これができるためには大切な条件があります。それは、今の自分という枠(あるいはイメージ)から飛び出せる勇気があることが条件です。

 チーム全員が、大切な試合を前にして重苦しい雰囲気で練習しているとき、「よし、今日は練習終り!全員でカラオケ行くぞ!」って言えますか?負けてるハーフタイムで、ショートコントをやって、笑って選手を再びピッチへ送り出せますか。これをリフレイミング技法と言います。この技法は、選手がガチガチに身動き取れない状態にいるとき、突然救い出す方法です。問題を全く違う次元で見るきっかけも与える技法です。「監督、どうしちゃったんだろう?」そう言わせるぐらいがちょうどです。つまり、リフレイミング技法には“ユーモアのセンス”が欠かせないのです。

 さて、上述の“チーム”の監督はどうですかね。ユーモアのセンスありますか?「人生いろいろ・・・」とかいって、選手を笑わすだけのユーモアがあるでしょうか。

 あっ、ひとつご注意を。「僕、監督やめます」は突飛に見えますが、リフレイミングになりません。なぜかって? だってもう、それだけはアイム・ソーリー。

 御後がよろしいようで。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)

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