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         スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.214(2019年10月号)←詳細&購入はここ!
SQ214表紙画像サイズ
『特集 ファンクションを見る眼」
1.「「ファンクションを見る眼」を語る」
川野哲英・FTEX Institute 代表、はちすばクリニック副院長
 
2.「ファンクショナル・テーピングの考え方と、実施に際しての機能評価、実際の方法の概要」
小林寛和・日本福祉大学 健康科学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻

3.「機能的足底板(Functional Orthotics Insole:FOI)」
原田昭彦・一般財団法人弘潤会 野崎東病院 アスレティックリハビリテーションセンター リハビリテーション部課長、PT、JSPO-AT

4.「ファンクショナル・エクササイズの基本的な考え方、運動・関節運動の捉え方」
川口浩太郎・PT、PhD、JSPO-AT、兵庫医療大学リハビリテーション学部 FTEX Institute FEXリーダーズ・ユニット


今月はお正月だったので15日の掲載にしました。今ならお手元にありそうな酒粕、そして塩鮭がテーマです。もしあれば、ぜひお試しください。

蓬莱飾り(文・料理/大仁浩子・もも家店主、イラスト/横江節子・神戸市垂水区在住)

もも屋1038 「京都の梅宮大社から日蔭葛(ひかげかずら)が届いたよってに、明日の蓬莱飾りは、あんじょう頼みます、いうて本家の義姉さん(ねえさん)から電話がありましたけど」。「二人して行ってきたらええ」と、父は言い残して玄関の戸を閉めて行った。

 神戸の南の海岸沿い、灘区から西宮あたりには、江戸時代から“灘の生一本”と言われる酒造りの蔵が並ぶ。父はその蔵元の家に生まれたが、家業を嫌って教師になった。

 「本家に行ったら、ちゃんとご挨拶するんよ」。道すがら母は呪文のように私に言う。
 父の育った本家は石屋川を下った神社のそば。蔵が近くなったことは、蔵の瓦屋根が見えるより先に風が教えてくれる。ほんのりと麹や蒸し米の香りが漂ってくる。

 「蓬莱飾り」は本家が正月用に作る伝統の飾りもの。秋に刈入れた酒米、山田錦を稲穂つきのまま陰干しをし、その稲束を胴にする。穂を下に向け大束の茎を細紐でくくり、その上に赤白の奉書を着ける。奉書は袴のように襞を取って折りたたみ、茎の細紐で結んだ上に麻緒で結ぶ。

 その支度が終わる頃、本家の伯父は息子のリョウさんに花鋏を手渡し、「リョウ、庭のモチの実を取っといで。少し飾りの葉を残して切るんやで」。

 まもなくして、リョウさんはザル一杯に実を摘んできた。モチは南天よりも明るい赤色の実をつける。つやつや光って群れて実る。それを麻緒に7枚ほども挿し、そのモチの花群の横から、日蔭葛をゆらゆらと稲の穂先まで沿わせるように垂らす。日蔭葛は緑のモールのような苔の紐。

 「この葛にはな、昔から神様が宿っておられると言われていますのや」。と、伯母が大事そうに手を添える。最後に、赤白の奉書を箱型に折り込んで「笠」に見立て、稲束の茎に被せて出来上がる。その飾りが下げられると、それはまるで、笠を被った神様が赤白の袴姿でゆっくり歩いてこられる姿に見えた。

 本家には明けて正月、ご挨拶に行く。「毎年、大袈裟なことや」と渋る父を、「ご本家ですやろ」と、きまって毎年、母がとりなす。座敷には床の間を背に伯父が坐り、両側には杜氏を頭に蔵人と言われる人達が坐る。お正月は新酒の仕込み時期。蔵人さんは故郷の但馬に帰らず、酒造りに明け暮れる。お屠蘇の盃が巡り、酒造り唄や手拍子が台所まで聞こえてくる。「チビ、オレの運動靴、玄関から三和土にまわして」。リョウさんがふいに現れて言う。リョウさんと私は同い年のいとこ同士。けれどリョウさんは背の低い私をチビと呼ぶ。靴をさげて戻ってくるとそれをひったくるように抱え、庭を突っ切って走り出した。「チビ、早うついてこい」。「どこへ行きなさる」と背中で母の声がする。「初モウデーや」と風に飛ばされながら二人で答える。

 西宮の神社は初詣の人と屋台で賑わっていた。リョウさんはベビーカステラを口に入れながら、店をひやかし、残ったお年玉を全部「射的」のタマに換えた。「オレはスポーツカーを当てたいんや。チビにはキューピーさん、当てたるからな」。言葉通りになった。キューピーは大きな目をして私の腕の中に。「そやけど、エエか。射的したんは内緒や。人形は福くじで当てた、いうんやで」。その頃の私はリョウさんの前ではキューピー人形。ただびっくりして目をパチクリして、あとをついていった。

 そんなお正月が何年も続いたあと、リョウさんは映画を作るんや、いうて、東京の大学に行った。それっきり、本家には帰ってこない。

 「坂本龍馬が好きや、いうて、リョウという名つけたよってに、あの子は江戸に行きましたんやろか」と伯母はあてつけに伯父に言う。

 「何が映画や。家業は、蔵はどうする。全く。勘当や」。お正月にもリョウさんは帰らない。そのことは、年々、伯父のお屠蘇の酒量を増すばかり。

 冬になるとモチの木は赤い実をつけ、梅宮さんから日蔭葛が届き、蓬莱飾りはいつものように28日に蔵の柱や酒槽の横に飾られる。その飾りは、あたりを浄め、たちまちお正月を迎える華やぎをそえる。リョウさんは蓬莱飾りを覚えているだろうか。覚えていたら、お正月は帰ってくるだろう。今年こそ、と祈る。「蓬莱山から蔵にこられるお酒の神様、どうぞお正月はリョウさんと一緒にお越し下さい」。笠の下で神様は何もお返事されない。瑞々しい日蔭葛が衣の袖のようにかすかに揺れるばかり。リョウさんがいなくなって、私はキューピーのように立ちつくすばかり。

*福寿、神戸酒心館
福寿は灘五郷のひとつ、御影郷にあります、神戸・六甲山系の伏流水は宮水と言われ、鉄分が少なく、酒造りには最適。その水で醸す福寿の酒は、コクとキレがある男酒。酒心館では、この時期新酒が出揃い、利き酒をする人々で賑わっています。ただし、上記の話はフィクションで「福寿」さんとはまったく関係ありません。念のため。
福寿、酒心館は阪神「石屋川」下車、南へ徒歩8分、JR「六甲道」下車、タクシーで5分。



もも家のフードレシピ

 明けましておめでとうございます。いつも、「もも家」のフードレシピをお読みくださる皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、新年はお屠蘇から始まり、日本酒でお祝いをされたことでしょう。酒蔵を訪ねますと、しぼりたての新酒はもちろん、たっぷりとお酒を含んだ酒粕も並びます。1月のフードレシピは酒粕を使ったお鍋と鮭を粕漬けにしてお届けします。

 寒い夜に心まで暖かくなる新酒の粕を使った酒屋鍋、ぜひお作りください。


もも屋2039■酒屋鍋(4人前)

jumee☆recipe2Ljumee☆recipe2R 鶏団子の材料
鶏ミンチ 600g
レンコン 皮つきで150g(むくと110g)
木綿豆腐 380g(1丁分)
卵 1個
水 700cc
オイスターソース 小3
片栗粉 大4
一味唐辛子 小2
塩 小3とこしょう少々




もも屋レシピ1040jumee☆cooking1Ljumee☆cooking1R 鶏団子の作り方
上記の材料で鶏ミンチの団子を用意します。
①レンコンの皮をむき、酢水(600ccに小2の酢)に10分つけてアクを抜き、取り出して5~7mmの角に切ります。
②木綿豆腐は水きりをせず、手で小さくほぐします。
③ボールにすべての材料と調味料を入れ、手でねばりが出るまでよく混ぜます。



jumee☆recipe2Ljumee☆recipe2R 酒屋鍋のスープの材料
板状の酒粕 100~120g
酒 大1
水 50cc
かつおだし 1500cc
塩 小2
白醤油 大2(酒粕に色をつけたくないので白醤油にしましたが、薄口でも)
オイスターソース 大2


jumee☆cooking1Ljumee☆cooking1R 酒屋鍋の作り方
もも屋レシピ2041①酒粕をざっくりと角に切り、酒(大1)と水500ccに浸し、ふやかしてゆるめておきます。さらにフォークで細かくつぶします。
②上記のかつおだし、塩、白醤油、オイスターソースを加え、沸騰してきたら、ボールの鶏団子をスプーンですくってお鍋の中に落としていきます。
③はじめに小さなお団子を1つ作り、味見をしてから残りのお団子を作ってください。お団子がスープの中で浮いてきたら出来上がり。


※酒屋鍋に入れる具材
白菜 大葉で5~6枚。白い芯は5cm幅に切り、さらに線維に沿って縦に7mm幅に細長く切ります。葉は線維に沿って、2~3cm幅でざく切り。
エノキ 根元を切り離して、ほぐしておく。
エリンギ 縦に形のまま薄切り(歯ざわりがたのしいので)
白ネギ、三葉はざくきりに。
ハンペン 金串を八の字形にさし、強火の遠火でこんがり焼き目をつけ、8つの角切りに。
おもち お正月の丸もちを使いました。お好みでおうどんでしめても。


 酒粕はアミノ酸が多く含まれ、美白と保湿効果が期待できると、「福寿」支配人、久保田さんのお話です。もしそうなりましたら、「美人鍋」に名称変更です。

■鮭の粕漬け
 暮の到来物の新巻鮭が残っていたり、また市場やスーパーで塩鮭の切り身が安く売られていたら、ぜひ一度お試しください。鮭の塩気がほどよく抜け、お酒の風味がしみ込んだ絶品の鮭の粕漬けが出来上がります。作り方はとても簡単です。

もも屋レシピ3042jumee☆recipe2Ljumee☆recipe2R 材料
板状の酒粕 100~150g
酒(または水) 100cc
みりん  小1
塩鮭(切り身) 4~6切れ


jumee☆cooking1Ljumee☆cooking1R 作り方
①鮭のウロコをとって、さっと水で洗い、キッチンペーパーで水気をとる。
②酒粕を酒、みりんでゆるめておきます。
③ラップを2枚重ねて②の酒粕の半量を薄く一面にのばし、①の鮭を並べ、残りの半量の酒粕を鮭の上からのせます。
④ラップの端から空気を抜きながら、くるくると重ねてひとつにまとめ、ビニール袋に入れて冷蔵庫へ。
もも屋レシピ4043⑤一昼夜おくと味がしみますが、3~4日後が食べごろ。
⑥濡らしたキッチンペーパーで酒粕をよく拭き取り、こんがり焼きます。


いつもの塩鮭がお酒のあてになる塩鮭に大変身いたします。とろりとぬるめのお燗酒でどうぞ。


  それでは、どうぞ今年もよろしくお願いします。

編集部より:大仁さんのフードレシピについては、このサイトで多数見ることができます。また、この記事の著作権は大仁浩子さんに帰属し、イラストの著作権は横江節子さんに帰属します。著作権の侵害にご注意ください。

〔もも家〕
TEL:078-391-2466
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-7-20 前川ビル2F
(三宮駅の北、徒歩5分)
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今月はお正月だったので、1日には「もも家」のフードレシピを掲載していません。

「15日にしましょうか」ということになり、昨日原稿をいただきました。すでに入力は終わっていますが、イラストのデータ化がまだで、すみませんが、明日16日にアップします。

1月らしいお話とお料理です。ご期待ください。(清家輝文)
カッとすると損をする

久米先生顔イラスト ブログ「おい、ちょっと待てよ!一体、俺が何したって言うんだい」
「えぇ、確かにあなたはいつも私にやさしいわ。でもね、これだけは覚えておいて欲しいの。私は、今度のこと一生忘れないって事」
「だから、待てよ。何か君は勘違いしてるよ。僕は決して君に嘘なんか言ってない!」
「じゃ、私の誕生日の夜、誰といたか正直に言ってみてよ」
「誕生日って?いつ?」
「昨日よ」

 さて、このご婦人だいぶ気分を害しているご様子ですね。この分じゃ、相手の男性は形勢逆転が難しいそうです、お気の毒に・・・。

 そもそも、他人と会話をするという行為は、人類の歴史が始まったのと同じぐらい古いはずです。なのに、この会話の行き違いやそれによって起こる誤解、謗り、挙句の果ては罵られる等、この類のトラブルは古今東西、後を絶ちません。でも、なぜでしょう。コミュニケーションは難しいですね。

「何が、難しいですって?」
「あれ、君は難しいって感じない?」
「全然ですね。友達と話していて、喧嘩したことなんかありませんから」
「なんで僕は難しくて、君は難しくないんだろ?」
「先生、話す相手間違っているんじゃないんですか」
「なるほど、そうか、話す相手を選べばいいんだ」

 私ひとり学生のアドバイスに納得しましたが、果たして話す相手を選ぶ何てことが本当にできるのでしょうか。実際は無理でしょう。私たちは、毎日たくさんの立場の人々と話をしなければならないのが現実です。

スポーツカツ40 001 相手と対等なコミュニケーションを取る方法を提唱している人たちがいます。ここで提唱されているのは「アサーティブネス」と呼ばれるコミュニケーションスキルです。

 このスキルの中心となっている考え方は「相手の権利を侵害することなく、自分はどうしたいのか、何が必要なのか、そしてどう感じているのか、相手に対して、誠実に、率直に、対等に、自信をもって伝えることのできるコミュニケーションの考え方と方法論を確立する」(『それでも話し始めよう』アン・ディクソン、アサーティブ・ジャパン監訳・監修、クレイン)ことにあります。

 職場で上司と対等な関係で議論したり、顧客との交渉を双方が納得いく形でまとめたり、さらに家庭内でのトラブルを建設的に解決に導いたりと、自分自身が不安で自信が持てないために、思わず黙ってしまったり怒鳴ってしまいがちなコミュニケーションを双方が納得した形で終える、これがこのコミュニケーションスキルの目的です。そんなこと本当にできるのか? 疑われる方は、一度本書を手にとってみて下さい。

 ところで、先ほどの険悪なお二人はどうなりましたかね。

「今回は、僕が悪かったよ。謝るよ。君の誕生日を忘れるなんて、僕はどうかしてたよ」
「いいのよ。あなたは、この頃忙しすぎるわ。きっとそのせいよ」
「ありがとう。そう言ってくれて、正直安心したよ」
「もうこのことは忘れましょう。ねぇ、仲直りに食事にでも行かない」

 やれやれ、このお二人にはアサーティブスキルは、全然必要ないようですね。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)