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スペシャルオリンピックスのカツ動

久米先生顔イラスト ブログ 「スペシャルオリンピックス(以下SO)」というのをご存じですか。オリンピックとは違うし、パラリンピックピックとも違います。これは知的発達障害者による世界規模のスポーツの祭典のことなのです。

 私がこの活動を知ったのは、つい最近のことです。ある朝、私はひとりの教員に声をかけられました。「先生、私の授業を受けている学生が、障害者のスポーツについて詳しく聞きたいと言っています。私では役不足なので、先生話を聞いてもらえませんか」

 障害者スポーツのことならば今夏に初級の障害者スポーツ指導員の研修会を本学で開いている実績もあるので、多少は質問に応じられるかと考え、この時は同僚のお願いを気軽に「ええ、良いですよ」と受けました。

 早速、その学生は仲間を連れて私の研究室にやってきました。

「先生、私はSOのスタッフなんです。そこで、この大学をお借りして、SOの大会を開きたと思っています。先生、お願いできますか?」

 学生の話は、そこからSOの話、現在の活動状況、過去に他大学で大会を開いた実績などに広がりました。でも、私の理解は、まだ初歩のところで留まったままだったのです。

「SOって、パラリンピックとは違うのですか?」

 後日、私はある本を手に入れました。「スペシャルオリンピックス」(遠藤雅子著 集英社新書)です。この本には、私の疑問に答えるすべてが書かれていました。

スポーツカツ28 001先ず、冒頭には「SOは1963年、故ジョン・F・ケネディ大統領の妹のユーニス・ケネディ・シュライバー夫人が自宅で開いた「デイキャンプ」から始まった」と書かれていました。そして、ケネディ家にも知的発達障害を持つ人がいたので、この活動を本格的に発展させることに尽力したとのことでした。そして、初めて国際大会開かれたのが1968年のシカゴ大会でした。活動を始めてわずか5年で国際大会開催に漕ぎつけるとは、米国の名門ケネディ家あってのことではないでしょうか。

 ところで、名称の「スペシャルオリンピックス」ですが、“オリンピック”を名乗れるようになったのは1988年からのことだそうです。当時のIOCのサラマンチ会長との間で合意がなされ、実現しました。気になるのは“スペシャル”の意味です。「ある日、修道院を訪れたユーニスは、院内の廊下の壁にかかっていた文字に目をやった。そこに書かれていたのは『Retarded children being SPECIAL to GOD』という文字であった」。日本語訳は皆さんにお任せしますが、ユーニスは、この「SPECIAL to GOD」という言葉に感銘し、“スペシャルオリンピックス”に決めたようです。

 この大会の成功の決め手は、参加者の数よりもボランティアの数だと、本書には書いてありました。“アスリート”と呼ばれる参加者たちは、この大会に出るために相当厳しいトレーニングをするそうです。これは、OSが知的発達障害者の完全社会参加を最終目標しているからこそなのです。そのためには、多くのコーチや大会協力者、そして周囲の良き理解者が最も必要と考えているようです。

「人間は、生理的早産の状態で生まれてくる」といったのは、A・ポルトマンです。彼は、この言葉で、群れることで無力な子孫を守ろうとする人間の特性を表現しようとしました。

 “群れ”が“村”になって、その後“社会”を形成した我々は、もう一度“群れる”大切さを、こういったボランティア活動から学ぶべきなのかもしれません。

 本学のSO活動は、11月22日(日)に始まります。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
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