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         スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
1982年、『ドミンゲス博士のスポーツ医学百科』という翻訳書を刊行した(ブックハウスHD社)。翻訳は例によって知り合いのグループに頼み、原稿は私が修正していった。その監修は武藤芳照先生(現在東京大学大学院教授、東京厚生年金病院整形外科客員部長)にお願いした。

原題は“The Complete Book of Sports Medicine”。その冒頭にこう書かれている。

「このスポーツ医学への入門書は一般人を対象としたものであるゆえ、『スポーツ医学』という言葉を、私は、スポーツ活動を直接あるいは間接的に扱う医学や科学のあらゆる分野として捉えていることを付け加えておかねばならない」(p.12)

これを読んだとき、私はその“一般人”であるから、とたんに「スポーツ医学」の領域を広げて考えた。それなら建築家やデザイナー、音楽家など芸術家、工学系の人など、ほんとうに広い分野が関わるではないか。

ただ、それを「スポーツ医学」と呼ぶにはやはり抵抗がある。「医学」の文字は自ずから領域を限定する。

そこでsportsとmedicineをつなげ、1語としたsportsmedicineをそのような意味で用いることにした。もちろん、説明しなければ通じないことだし、説明しても納得してもらえるかどうかわわからない。だが、少なくとも、私自身はそう考えようとしたのである。

スポーツ医学は学際的領域である。そういう表現もしばしばなされるようになっていた。以前にも記したように、私自身は文系の出であるが、自ずと医学系のみならず、生命科学、建築、芸術、工学、経済学など、なんでも面白そうな本は読むようになっていた。教科書的なものではなく、一般向けのものではあるが、それでも視野を広めるには役立った。

1983年『スポーツ・ヘルス』という翻訳書の編集も経験したが、この本の中に、この筋肉が損傷すると愛する人を抱きしめることができないというような一文があった。なんと、わかりやすく、また機智に富んだ説明かと思った。こういうふうに書ける人は少ない。

それでも実際の取材などでは、整形外科医や理学療法士、トレーナーといった方に接することが多い。特に「お医者さん」となると、またそれも大学教授や大きな病院の整形外科部長ともなると、そうたやすく接することはできない。会う前はどうしても緊張する。だた、会ってみて話すと、それが杞憂であるだけでなく、全く認識を改めなければいけないことだと知るようになる。これについては、また次回。(清家輝文
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