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         スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
カッとすると損をする

久米先生顔イラスト ブログ「おい、ちょっと待てよ!一体、俺が何したって言うんだい」
「えぇ、確かにあなたはいつも私にやさしいわ。でもね、これだけは覚えておいて欲しいの。私は、今度のこと一生忘れないって事」
「だから、待てよ。何か君は勘違いしてるよ。僕は決して君に嘘なんか言ってない!」
「じゃ、私の誕生日の夜、誰といたか正直に言ってみてよ」
「誕生日って?いつ?」
「昨日よ」

 さて、このご婦人だいぶ気分を害しているご様子ですね。この分じゃ、相手の男性は形勢逆転が難しいそうです、お気の毒に・・・。

 そもそも、他人と会話をするという行為は、人類の歴史が始まったのと同じぐらい古いはずです。なのに、この会話の行き違いやそれによって起こる誤解、謗り、挙句の果ては罵られる等、この類のトラブルは古今東西、後を絶ちません。でも、なぜでしょう。コミュニケーションは難しいですね。

「何が、難しいですって?」
「あれ、君は難しいって感じない?」
「全然ですね。友達と話していて、喧嘩したことなんかありませんから」
「なんで僕は難しくて、君は難しくないんだろ?」
「先生、話す相手間違っているんじゃないんですか」
「なるほど、そうか、話す相手を選べばいいんだ」

 私ひとり学生のアドバイスに納得しましたが、果たして話す相手を選ぶ何てことが本当にできるのでしょうか。実際は無理でしょう。私たちは、毎日たくさんの立場の人々と話をしなければならないのが現実です。

スポーツカツ40 001 相手と対等なコミュニケーションを取る方法を提唱している人たちがいます。ここで提唱されているのは「アサーティブネス」と呼ばれるコミュニケーションスキルです。

 このスキルの中心となっている考え方は「相手の権利を侵害することなく、自分はどうしたいのか、何が必要なのか、そしてどう感じているのか、相手に対して、誠実に、率直に、対等に、自信をもって伝えることのできるコミュニケーションの考え方と方法論を確立する」(『それでも話し始めよう』アン・ディクソン、アサーティブ・ジャパン監訳・監修、クレイン)ことにあります。

 職場で上司と対等な関係で議論したり、顧客との交渉を双方が納得いく形でまとめたり、さらに家庭内でのトラブルを建設的に解決に導いたりと、自分自身が不安で自信が持てないために、思わず黙ってしまったり怒鳴ってしまいがちなコミュニケーションを双方が納得した形で終える、これがこのコミュニケーションスキルの目的です。そんなこと本当にできるのか? 疑われる方は、一度本書を手にとってみて下さい。

 ところで、先ほどの険悪なお二人はどうなりましたかね。

「今回は、僕が悪かったよ。謝るよ。君の誕生日を忘れるなんて、僕はどうかしてたよ」
「いいのよ。あなたは、この頃忙しすぎるわ。きっとそのせいよ」
「ありがとう。そう言ってくれて、正直安心したよ」
「もうこのことは忘れましょう。ねぇ、仲直りに食事にでも行かない」

 やれやれ、このお二人にはアサーティブスキルは、全然必要ないようですね。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)

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