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         スポーツ医学とスポーツ現場をつなぐコミュニケーションブログ
 
月刊スポーツメディスン最新刊紹介
月刊スポーツメディスンNo.210(2019年5・6月合併号)←詳細&購入はここ!
210表紙
『特集 セラピストの手の使い方」
── 治療技術の向上のために
 
1.「肩関節疾患を診るうえでのセラピストの手の使い方」
勝木秀治・関東労災病院 中央リハビリテーション部理学療法士、専門理学療法士(運動器)東海大学医学部 基礎医学系生体構造機能学領域
 
2.「体幹、下肢のスポーツ障害への運動療法で大事なセラピストの手の使い方」
園部俊晴・コンディショニング・ラボ(インソールとからだコンディショニング専門院)
理学療法士、運動と医学の出版社代表取締役社長

3.「臨床動作促通法の紹介」──正しい動作に誘導するために
鈴木俊明・関西医療大学大学院 保健医療学研究科
 

親カツカツ

久米先生顔イラスト ブログ 先日11日の読売新聞紙社会面に、第一生命保険が恒例のサラリーマン川柳入選作100作品を発表した、との記事が載っていました。そのなかの一つに

「二人の子、婚活、就活、親カツカツ」

 という川柳がありましたが、現代の親の困窮ぶりがよく出ていますね。

 また、偶然なのかそれとも意図的に並べたのか、この記事の横には『大学生仕送り1984年水準―7万4060円「ゼロ」も1割突破―』という記事も掲載されていました。つまり、故郷の親からの仕送りが近年かなり減ってきて、25年前の水準まで落ちてきているということなのです。なかには仕送り“ゼロ”の学生もいるようです。

 そう言えば、最近の学生は、よく親に迷惑をかけていることを口にします。僕たちが学生の頃は、アルバイトはまだ特別な存在でした。興味半分、自分の遊ぶ金欲しさ半分の、アルバイト=内職のような感覚でやっていたように思います。したがって、世間もアルバイトに精出す学生については、何となくアウトロー的に扱っていたように思います。学生は学生で、そのアウトロー的雰囲気に憧れてアルバイト生活にのめり込む人もいましたが、ほとんどの学生は、やはり学業と学園生活の次に来るものと考えていたと思います。

 ところが、最近の学生は本職としてアルバイトをやっているように感じます。ある学生は、アルバイトで学費を賄う、と言っていました。ある学生は、学費は親が補償するから生活費は全部アルバイトで稼げ、と言われていると告白しました。そして、これらの学生は異口同音に「親にこれ以上迷惑をかけられない」と言います。

 親に迷惑をかける、という発想に至った経験がない親不孝な僕としては(ゴメン)、ある意味この種の親孝行発言には反論できるはずもないのですが、あえて言わしてもらうならば、本職であるはずの学業を犠牲にしてまでアルバイトし、ただ卒業することだけが親に迷惑かけないことなのか、と学生には問いただしたいところです。

 しかし、学生はこれに対してはこう反論するでしょう。

「学業やそれに伴う資格取得はきっちりやります。ただし、サークル活動、部活動といった学園生活は全部カットです」

 つまり、必要最低限のことしかやりません、ということのようです。

 この傾向は大学の授業単位の取得状況にも出ていて、選択科目取得数は最低数(卒業単位数)に抑えようとする学生が多くなってきています。つまり、卒業単位に絡まない教養的科目の単位を取得しようとする学生が減ってきているのです。大学生が身に付けるべき学力とは何か、大学とは何か、今一度検討する時期に来ています。

スポーツカツ45 001
 川柳に話を戻しましょう。僕でしたら冒頭の川柳は「二人の子、高校、大学、親カツカツ」とします。「こども手当の全額支給はやっぱり難しい」なんて発言も出てきています。親の生活力の差が、そのまま子供に対する教育機会の差になってきているという人もいます。先ほどの大学生ではないですが、余計なことは一切やらせないという親は今後もっと増えるでしょう。スイミングスクール、体操教室、ピアノ教室、バレエ、絵画、各種の教室等に通う子供たちは減っていくのでしょうか。

 教養とは何か。「論語抄」(中央文庫)の著者陳舜臣氏によれば「(古来より)教養とは、六芸(りくげい)、つまり作法、音楽、射(弓)や御(馬術)のようなスポーツ、書、算術を嗜むこと」だと言います。「論語」は孔子(前552-前479)とその弟子の言行録です。

「子曰く、故きを温ねて新しきを知れば、以て師と為るべし」。

「温故知新」と熟語になったこの有名な言葉も、論語の言葉です。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)


道化師のカッ好

 先週の日曜日、東京ドームシティにサーカスを見に行ってきました。

久米先生顔イラスト ブログ 昔から、なぜか僕はサーカスに憧れを持っています。父親がよく連れて行ってくれたせいなのか、それとも子供の頃TVドラマでサーカス一座の物語を見てからなのか、よく原因はわかりません。

 サーカス一座を主人公としたそのドラマのタイトルは、残念ながら忘れてしまいましたが、確かサーカスの団長が主役だったと記憶しています。ドラマでは毎回、サーカス一座が興行に訪れる町々を背景にしてストーリーが展開されていました。団員達の人間関係や、時には外部から怪しい人間が紛れ込んでトラブルが発生したりと、なかなか魅力的なストーリーになっていたと記憶しています。

 そのドラマの中で、僕が一番憧れたシーンは、彼らが住まいにしていたトレーラーの中の部屋が映し出されるシーンでした。その部屋には、確かトレーラーの後部から入ることができたと思います。部屋は意外に広くて、そこにはメーキャップするための化粧台や大きな鏡が置かれ、壁には華やかな舞台衣装が掛けられていました。それから、贔屓の客から送られたものなのか、時にはテーブルに大きな花束やシャンパングラスが置かれていたりもしていたのです。それに、その部屋の主は美しい女性団員だったり、時にはそこへ道化師役の老人や団長が入ってきて話をしたりするんです。僕にとって夢のような空間が、このドラマの中にはありました。

スポーツカツ44 001 ところで、道化師はなぜあんな非現実的な格好をしているのでしょうか。メーキャップからしてそうです。顔は白塗りが基本で、目の周りは赤く縁取られ、片方の眼だけ涙をこぼした様な形になっている。鼻には丸くて赤いボールが乗せられていて、唇は大きく笑った格好になっている。これが今までに僕が見てきた道化師の代表的な顔です。

 服装に至ってはさらに独創的で、特に靴はどこにも売っていないような大きな靴。ズボンはだぶだぶで、道化師はみな腹が出ているのでサスペンダーで吊っています。時には、このサスペンダーも笑いの道具になるのです。上着は、あまり着ていないことが多いかな?ランニングシャツ姿、なんて時もあります。そうそう、帽子を忘れていました。山高帽子の時もあれば、野球帽、ニット帽なんて時もありますが、これも道化師にとっては大切な小道具です。

 サーカスを見ていると、皆さんも気がつくと思うのですが、驚きのパフォーマンスを披露する曲芸師や格好良い空中ブランコ乗りのメンバー、それに巧みに猛獣を操る人々、みんな演技中はしゃべりません。気合い声や掛け声くらいは時々聞こえますが、それ以外は聞こえません。サーカスではお喋りするのは道化師だけなのです。先週のサーカスの道化師も、「皆さん」「アリガト」「スイマセン」という日本語を、妙なイントネーションで連発していました。これもワザとでしょうか。

 道化師は、時には観客席に出向いて、時には観客を舞台に引っ張り出して、軽妙なお喋りでお客を笑わします。道化師に捕まったお客さんは、ほとんどの場合道化師に良いように扱われて笑い者にされます。でも、お客は誰も怒りません。それがサーカスのルールだとみんなも知っているからです。そして、彼らが舞台の袖に引く頃には、次のステージが準備されているわけです。つまり道化師は、再び我々を夢の世界に誘う大切なエスコート役でもあるのです。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)

新たなカツ動拠点

久米先生顔イラスト ブログ  皆さん、突然ですが問題です。では、第1問目。バンクバーで開催される冬季オリンピックまで、あと何日かご存知ですか? そうです。大会は2月12日からはじまりますので、あと10日を切っているのです。

 では、第2問目。今大会であなたが期待している選手とその種目をお答えください。

 「そうだなぁ、やっぱりフィギアスケートの浅田真央選手、あるいはスピードスケートの高木美帆選手かなぁ。イチ押しはカーリングの・・・」なんて、いくらでも出てきそうですね。

 では、第3問目。冬季パラリンピックは、いつから開催されるかご存知ですか?

 第4問。活躍を期待する選手の名は?

 なんだか、とたんに答えが怪しくなってしまいましたね。

 では、粘ってもう1問。今回のパラリンピックで行われる種目をお答えください。

 「???」。これも駄目ですか。正解は、①アルペンスキー、②バイアスロン、③クロスカントリー、④車いすカーリング、⑤スレッジ・ホッケーです。これらの5種目に600人もの選手が参加し、60以上のメダルをかけて戦うそうです。

 なんだか偉そうに皆さんに質問してしましたが、そう言う私も答えが怪しい一人です。やはり、新聞その他で連日報道されている種目や選手にはかないません。パラリンピックの話題は、ほとんど報道されていないのが現状ではないでしょうか。

 しかし、現実に日本選手団は結成されていますし、なかには5大会連続で出場を決めた選手もいるようです。話題性はオリンピックに劣らないと思います。したがって、当然のことながら今頃は選手達もコンディショニングには神経を使っているだろうし、競技当日怪我をしたり、現地で体調不良に陥ることもあり得るわけですから、コンディショニングのケア担当者がパラリンピック日本代表チームにもできるだけ多く必要なはずです。

スポーツカツ43 001 そこで、(財)日本障害者スポーツ協会では、選手のケアを担当する専門家養成に本腰を入れ始めました。

 先週の1月29日(金)~31日(日)にかけて、横浜市港北区にある「障害者スポーツセンター 横浜ラポール」で「平成21年度(財)日本障害者スポーツ協会公認障害者スポーツトレーナー養成講習会」開催されたのです。

 実は、こういった講習会開催は今回でまだ2回目です。そして、講習会自体は第一次と第二次に分かれていて、一次の検定試験を通過した者が、今回の二次講習会に参加できる仕組みになっています。

 今回の参加者は21名でした。当日は久々の再会の喜びもつかの間、早速「コンディショニング実技」から講習会は始まりました。前回の一次では、主に理論が主体の講義内容でしたが、この二次では実技主体となっていました。参加者の多くは、理学療法士としてお仕事をお持ちの方々でしたが、その他に私のようなAT資格を持っている方が4名、柔道整復師を合わせてお持ちの方や、中には看護師の方もいらっしゃいました。

 ほとんどの皆さんは、既になんらかの障害者スポーツ協会に所属していて活躍中の方々でしたから、講習休憩中には名刺交換と共にそれぞれの情報交換をする努力をされていました。こういった名刺交換が、今後の障害者スポーツのネットワークを育てるのでしょうね。皆さん、新たな活動の拠点として、障害者スポーツの現場に期待を寄せている方ばかりとお見受けしました。

 最後にはいよいよお持ちかね(?)の検定試験となったわけですが、すでに現場での豊富な経験をお持ちの方々ばかりですから、大丈夫だったでしょう。今度会う時には「障害者スポーツトレーナー」という正式な肩書をもって再会できることを楽しみにしています。

 参加者の皆さん、またどこかの競技会場でお会いしましょう。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)
カッ達な笑い

久米先生顔イラスト ブログ 皆さん、「カ,カ、カ、カ、!」とばかり水戸黄門のように高笑いした経験、この頃ありますか? あんまり景気の話はしたくはないけれど、新しい年になっても楽しい話は聞こえてきませんからね。高笑いどころか、全然笑えないよなぁ、って考えている人の方が沢山いるのでしょう。

 笑いは人間様の専売特許だと聞いたことがあります。「笑う」を辞書で引くと「うれしさ・おかしさ・てれくささ、または馬鹿にした気持ちがわいて、顔の筋肉をゆるめ、また、声を立てる」(岩波国語辞典)とあります。「うれしさ・おかしさ」が感情として起こった時の笑いは「は、は、は」で、「てれくさい」時は「へ、へ、へ」で、「馬鹿にした気持ち」が湧いたときには「ふ、ふ、ふ」でしょうか? いずれも“は行”発音が普通ですが、なかには「けら、けら、」「ころ、ころ」と“か行”の笑いもあります。これは、子供の笑い声です。私には、子供の笑い声が、どうしてもこの“か行”に聞こえます。特に、幼い子供の声は、美しい“か行”音で、あの「ころ、ころ、ころ、ころ」笑う声は、まるで天使の声のように聞こえます。もっとも、天使にはまだ一度もお会いしたことはないのですが。

スポーツカツ42 001 笑えないことばかりだからといって、いつもしかめっ面しているのもどうかなっと考え、せめて笑える本でも読もうかと「世界の日本人ジョーク集」(早坂 隆著 中公新書)を手に取りました。

 著者は、「先に、『世界の紛争地ジョーク集』、『世界反米ジョーク集』と上梓したが、その後の読者からの反応として多かったのが、『日本人を扱ったジョークはないんですか?』というものだった」ことから、今回のジョーク集を思いついたのだそうです。

 それにしても、最初に扱ったジョーク集が“紛争地ジョーク”だったり“反米ジョーク”だったりと、ずいぶんヘビーな分野から始めたものだなっと関心しきりなのですが、よく考えてみるとジョークなるものは、普通だったら笑えない話を笑い飛ばす所に醍醐味があるわけだから、テーマの中にギャップがあればある程面白いのだろうと、ひとり合点してしまいました。

 今回の「世界の中の日本人」ってところにも、島国ニッポン人と世界のギャップを感じるわけですが、あまり蘊蓄はやめといて、早速いくつかの作品を紹介しましょう。

 ―アリとキリギリスー
「イソップ寓話のアリとキリギリス。世界の国々ではこんな話になるだろう。
 アメリカの場合。ヴァイオリンばかり弾いていたキリギリスだが、その腕前がTVプロデューサーの目に止まり、一躍スターに。
 キリギリスは大金持ちに。
 日本の場合。アリもキリギリスも過労死する。」

コメント:今だったら、アリもキリギリスもハローワークに行く、の方がいいかな。

 ―パリのブランド店―
「フランスのパリのとあるブランド店。その店の売上一覧がこれである
 日本への輸出:45%
 日本団体旅行者が購入:55%」

コメント:今だったら、“日本”の文字を“中国”に置き換えた方が良い。

 どうです。闊達に笑うまでは無理にしても、少しは「ふっ」ぐらい笑えましたか。

 それにしても、ジョークも時代とともに変わるのですね。たとえ、“ふっ”と噴き出すぐらいでもいいから、毎日笑いましょう。皆さん。笑いをいつもお手元に!


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)

AT現場実習の総カツ

久米先生顔イラスト ブログ
 先日18日(月)に、大学内で「アスレティックトレーナー(AT)現場実習報告会」が開催されました。参加したのは、ATコースに所属する3年生7名と4年生10名です。

 彼らは、この一年間いろいろな現場を体験し、迷ったり、悩んだり、笑ったり、泣いたりした訳ですが、その結果を今日はみんなに聞きてもらうために、普段は別々に授業を行っている3・4年生が合同では発表会をすることになったのです。

 発表タイトルは以下のように、大変バラエティに富んだものになりました。(一部掲載)
*アメフト選手(LB)における肩関節障害
*バスケットボール選手の腰椎椎間板ヘルニヤ
*野球選手のL5-S1間腰椎椎間板ヘルニヤ
*ハンドボール選手(GK)の肘関節障害
*バスケットボール選手(小学校)オズグッド・シュラッター病
*市原トレーナーサービス集計結果
*武蔵野バスケットボール大会報告
*サッカー症例報告(鵞足炎)
*市民マラソンランナー筋筋膜性腰痛
*硬式野球選手の投球障害肩

 ざっと紹介すると、こんな感じです。

スポーツカツ41 001 発表時間は、各自5~7分です。普通の学会発表でも4~5分だと思いますので、結構いろいろなことがしゃべれるはずですが、いざ始まってみると中には緊張しすぎたのでしょうか、発表中に貧血で倒れる学生も出る始末。いやいや情けない、と思う前にその健気さ(?)がかわいく感じてしまいました。すこし、僕も年をとったのでしょうか。

 発表は、すべての学生がパワーポイントを使ってやっていました。時代の変化を感じます。だって、僕らの時は、自分たちで現像してブルースライドを作ったものですよ。最初は、現像の仕方から暗い現像室の中で先生や先輩に、それこそ手取り足取りで鍛えられながら教えてもらったものです。それが今やパワーポイントです。発表に動画を取り入れたりする学生もいたりして、むしろこっちが教えて欲しいテクニックもありました。

 さて、本題の発表ですが、発表態度はみんな堂々としていて感心することしきりでしたが、内容的には“報告”で留まっていたものが多かったように思います。

 当日は他学科の先生方にもこの発表会のことはご連絡をしてあったので、作業療法学科、柔道整復学科、看護学科など、トレーナー・スポーツ系以外の先生にもご出席いただくことができ、いろいろな感想やご意見をいただくこともできました。

 その中のひとつに、先ほど私が感じた“報告”に終始した発表に異議を唱える先生もいたことは、学生たちにとって大変新鮮な視点をいただいたことになったのではないか思っています。本学の特徴でもあるわけですが、多彩な医療分野の専門家が身近にいて、さらにその意見が聞ける時間が持てるということは、とても贅沢だなぁと感じた次第です。

 今回発表した4年生10名は、もう卒業です。このうち数名は、トレーナーの道に進むと聞いています。これからは、現場で起きたことを単なる“報告”で済まさず、あらかじめ自分なりの推論を立てて、その結果としての報告内容とのズレを検証する作業までできるトレーナーになって欲しいと思います。


久米秀作・帝京平成大学 (日本体育協会公認アスレティックトレーナー)